試乗記・レポート

トヨタ新型プリウス2.0ハイブリッドGを試乗!目立つ大きな変化+目立たない大きな進化=新しいプリウス価値の提示

トヨタ新型プリウス2.0ハイブリッドGを試乗!目立つ大きな変化+目立たない大きな進化=新しいプリウス価値の提示

発売以来、多くの受注を集め納期が長期化している人気車“新型プリウス”。今回、熊本空港からオートポリスへの往復にレンタカーを借りることが出来ました。クルマ大好き元トヨタの企画マンで、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から特徴を分解し、試乗した感想・印象をレポートしてみたいと思います。

※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:2023年6月

新型プリウス2.0ハイブリッドG試乗概要

スタイリッシュ。恰好だけでその新しさ・価値は具現化されている

「新型プリウスは、一目みただけで、インパクトありスタイリッシュさを印象付けられる」クルマだと思います。レンタカーの営業所に停めてあった様々なトヨタ車の中でもひときわ目立ち存在感を放っていましたし、走っていても、周囲の視線を感じる場面が多くありました(先代は新しさよりもアクの強さを云々されたりしましたが)。この新型は、恰好だけで新しさや価値の多くが具現化されているように感じました。
新型プリウス 試乗レポート

2.0L化とハイブリッドシステム改良による動力性能の進化。燃費性能は同等か?

大きな変更点のひとつはエンジンの2.0L化だと思います。私は自分のクルマがLEXUS UX250hでこのプリウスと同じパワートレーンなのですが、UXより軽快に走る印象がありました。

今回の試乗は熊本空港⇔オートポリスの往復という絶好のワインディング路。急坂路はともかく、それ以外は本当に軽快に走行できましたし、少しだけ走行させていただいたオートポリス・レイクサイドコースでは、コーナリング性能の軽快さと合わせて走りを楽しむ事ができ、排気量アップとハイブリッドシステムの改良等による動力性能の進化を色々な場面で実感できました。

燃費は、登り区間38.8km・16.4km/L、下り区間38.8km・39.7km/Lで平均28.65km/Lとなりました。

ロール感なく曲がっていくコーナリング性能。19インチとしては良好な乗り心地

TNGA(※)の骨格やサスペンションの改良に加えて19インチタイヤ装着が主要変更点だと思いますが、着座位置が低くされている事もあって、ロールを感じにくい曲がりだと思いました。またサーキット走行でも曲がり易さや安心感ある走りで、新型の運動性能ポテンシャルは、先代や先々代よりも高いレベルにまとめられている印象がありました。
※Toyota New Global Architecture:トヨタが全社を挙げてグローバルに取り組むクルマづくりの構造改革

一方、乗り心地に関しては、走行中の路面段差で、「19インチでもこんなにしなやかに乗越えできるんだ」と思う場面と、「やっぱり19インチだから乗越え段差はきつめだな」と思う場面があり、路面により印象が異なりました。全体としては、Cセグメント実用車として、妥当な乗り心地だと思いますが、19インチ化による影響はなしとは言えない・・・という感じでしょうか?
新型プリウス 燃費レビュー

正常進化(&普通化)のインテリア。装備類は大幅充実するが扱いにくさも

インテリアに関しても先代から大きく変化し、メーターやシフトレバーが普通の位置に変更され、様々なスイッチ類・操作系が大幅に整理され配置されていました。

全体の印象としては、クルマとして正常進化したインテリアという感じで、これまでのプリウスの特徴・独自性は減ったが、進化度は結構高いレベルにあると思いました。

大きく寝かされたピラーや低くされた全高により、乗降性や運転上の姿勢・視界に影響しているのでは?と思って乗りましたが、少なくとも今回の試乗では、不都合なく、運転視界も、メーターの見易さ、乗り降りのし易さといった面での問題はありませんでした。

ただ、色々なスイッチがコンパクトなスペースに集約されており、操作に慣れが必要な点、また新しいナビシステムの使い勝手が今一慣れない&使いにくい点が気になりました。(例:目的地設定に手間取る、画面タッチのフィール/レスポンスがちょっと難しいなど)
新型プリウス 試乗 内装
新型プリウス 試乗 ナビシステム

PDA(プロアクティブドライビングアシスト)は秀逸。素直に感動

今回の試乗で最初は全く気付かなかったが、途中で気付き、「これは凄い!」と思ったのが、ドライビングを微妙にアシストしてくれる装備“PDA(プロアクティブドライビングアシスト)”でした。

これは、先行車やコーナーをカメラで見ながら、減速支援やステアリング反力を変化させるもので、カタログには“・・・危険に近づきすぎないよう運転操作をサポートし、ドライバーの安心につなげます。”とありますが、その通りで、例えば今回の走行では山の稜線を走る“ミルクロード”で、その有難さが染み入ってきました。

具体的に言うと、先行する車両との車間距離を読んでいるらしく、コーナー前の減速区間に差し掛かると微妙に回生ブレーキが効き減速してくれましたし、コーナー毎に回生ブレーキ減速をしてくれるので、フットブレーキが全く不要で本当にラクに安心して走行することができました。ステアリングの反力変化に関しては、あまり感じ取ることはありませんでしたが、何回か、自分の運転操作以外の力がステアリングに掛かっている感覚を実感できました。

このような機構は、ADAS(先進運転支援システム)から自動運転化に向かう今後のクルマでは当然のものとなっていくのでしょうが、今回のプリウスでの経験は、“ドライバーが運転操作の主役だが、脇役のクルマ側で、うまく操作できるようにアシストする”もので、「テクノロジーの進化でこんなこともできるんだ!」と素直に感動させられました。
新型プリウス 試乗レポート ステアリング

新型プリウス2.0ハイブリッドG まとめ

目立つ変化・進化=外観スタイル・動力性能・ADAS/安全装備充実

今回のプリウスで、目立つ大きな変化は、外観スタイルと動力性能だと思います。

  • 全体プロポーションや前後ピラーの寝方等、4ドアクーペか?と思わせる外観スタイルは存在感と強いインパクトを持っている
  • 2.0Lエンジン+改良ハイブリッドシステムによる動力性能は、“力強い・・・”まではいかないが、軽快に走らせるレベルになっている
  • (現代のクルマとしては当然ながら)、ADAS/安全装備は最新のもの

目立たないが大きな進化=音や回生ブレーキ・PDAなど

目立たないが大きな進化と感じた事もあります。

  • 走行時の音が大きくリファインされた感じ(エンジン高負荷時の音は、もう少し“良いサウンド”を期待したくなるが)。これまでのプリウスとはかなり違うと思った
  • 回生ブレーキの効き方・フィールが良くなったように思った(もしかしたら、PDAの良さの一部かもしれないが)。微妙な効き方や守備範囲の広さ等により、フットブレーキによる制動をかなり減らせる感じがした
  • PDA(プロアクティブドライビングアシスト)が普通の路上で実用的に使用可能

新型プリウス 試乗レポート 乗り心地

「時代を切り開いたパイオニア」は、今回、目立つ変化・進化と、目立たないが、大きな進化を混在させ登場してきた。燃費面(ダントツトップではない点)は寂しい感じもあるが、色々な意味で先進的なクルマ”ではあり続けていると思う

1997年に登場したプリウスは、世界初の量販ハイブリッド車として、何年間も他に類をみないクルマとしての存在感を持ち続けてきました。また量販車となった2代目・3代目も、その存在感は「時代を切り開いたパイオニア」としてのそれで、“燃費が抜群によく、色々な意味で先進的なクルマ”の代名詞であり続けてきたと思います。
 
“プリウス”の名前の由来はラテン語での「~に先駆けて」という意味だそうですが、第5世代となる今回のモデルでも、その名称に相応しく、色々な面で進化したクルマになっていることがわかりました。特に、普通には目立ちにくい回生ブレーキやドライビングアシスト面に関しても、色々な改良/進化が加えられており、目立つ面/目立たない面の両面での変化/進化を具体化/具現化させた商品に仕上げられていると感じました。
新型プリウス 試乗レポート

総合評価

・乗る前の期待値越えか?
〇+ (動力性能・コーナリング・PDAなど期待値を超えていた)

・また乗りたいか?
◎ (色々な状況・路で乗ってみたいワインディング路など走る機会あれば・・・)

※評価基準と評価マークの意味

項目/マーク

〇+

〇-

期待値を・・・

大きく上回る

上回る

まあ上回る

上回る部分もあるが・・・

下回る

また乗りたいか

とても乗りたい

乗りたい

まあ乗りたい

乗りたい面もあるが・・・

あまり乗りたくない

今回試乗したクルマはこちら!

トヨタプリウスGグレード 試乗〔試乗車〕:トヨタ・プリウスGグレード
〔車両価格〕:3,200,000円(オプション類除く)
〔主要諸元〕
全長×全幅×全高・WB・車重:4,600mm×1,780mm×1,430mm・2.750mm・1,400kg
M20A-FXSエンジン:1,986cc、152ps/6,000rpm、188Nm/4,400~5,200rpm+前モーター
サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ:195/50R19
 ※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください

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