試乗記・レポート

LEXUS RX350“F SPORT”試乗レビュー!“新しいRXをつくろう”との意志。ソフィスティケート感覚と魅力的なフットワーク

 LEXUS RX350“F SPORT”試乗レビュー!“新しいRXをつくろう”との意志。ソフィスティケート感覚と魅力的なフットワーク

昨年6月に発表されたLEXUSの基軸車種『RX(第5世代)』。
今回は、新型RXの基本グレードともいえる『350 F SPORT』の印象を、クルマ大好き元トヨタの企画マンで、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から特徴を分解し、その魅力を探るレポートです。

※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:2023年4月

LEXUS RX350 “F SPORT”試乗概要

新しいがRXらしい” & “RXだが新しい”外観スタイル・佇まい

販売店の店頭で初めて見た際の印象は、“大きく立派”で“一見して新型RXとわかるクルマだなあ・・・”というものでした。全体に、“新しいがRXらしい”&“RXらしいが新しい”佇まいがあると思ったからです。

1998年に登場した初代から都市型クロスオーバーSUV的なテイストの強いRXですが、今回のモデルも、そうしたテイストを全面的に表現した外観と感じました。

背が高く運転しやすそうなプロポーション、スポーティさとSUVっぽさを適度にブレンドした感じ、先代RXからIDとなっているCピラーの処理等、クルマ全体から発する雰囲気は、RXとしか言いようがないものと思われ・・・“新しいがRXらしい”佇まいに満ちている感じがしました。

一方、そのグリルやプレスライン・モール処理等、新しいRXならではのアイテムもわかりやすく目につき、“RXだが新しい”外観スタイルでもあると感じました。またクルマ全体の見え方についても、これまでのモデルに対して、より低重心感・踏ん張りの強さを感じさせるもので、そうした全体の雰囲気+様々なデザイン処理によって“RXだが新しい”外観スタイルが実現しているような気がしました。
LEXUS RX350 F SPORT試乗

大きな車両サイズだがユーザーフレンドリー

販売店店頭で内外装を確認しクルマに乗り込むと、適度に視点が高く、適度に囲まれ感もある空間で、主要操作系の場所さえ確認できれば、すぐに走り出せそうな感じ・・・ユーザーフレンドリーらしさのあるインテリアだと思いました。Powerオンしシート・ミラー等を合わせ慎重に走り出しました。(シート・ミラー等、主要な操作系はわかりやすいが、細かい設定や情報系は慣れが必要な点はちょっと気になったが・・・)

街中に出てみると、“大きなクルマの割に乗りやすい”が第一印象。最新の周辺監視装備による安心感もありますが、運転席からの視界がうまく確保されており、車体の見切りがわかりやすい点などによって、周囲に不安を感じることなく運転できるクルマだと思いました。
LEXUS RX350 F SPORT ステアリング

ベースのパワートレーンとはいえ充分以上の性能

新型RXには、350(ガソリン車)/350h(ハイブリッド車※)/450h+(プラグインハイブリッド車)/500h(ハイブリッド車)と多様なパワートレーンが用意されていますが、今回試乗したのはRX350。ラインアップの中ではベースの位置づけですが、新しい2.4Lターボと8ATのマッチングがよく、軽快で必要充分な走りを体感することができました。
※350hは日本未導入

エンジンのキャラクターは、1,700回転から最大トルクを発する“今どきのパワーユニット”らしいもので、上まで引っ張って回すよりも、8ATに任せてどんどんシフトアップしていったほうが、その良さを感じやすいように思われました。

このRXにはドライブモードセレクトが装着されており、ノーマル⇔スポーツ⇔エコが選択できるようになっており、何回か試してみましたが、スポーツやエコではちょっと不自然感があって、結局ノーマルで大半の試乗区間を走行しました。

エンジンのサウンドに関しては、ごく普通に走行していると、自然で静かな音が届いてくるという“LEXUS車らしいもの”でしたが、フル加速時等でエンジン回転数が上の方まで回る際は、“もう少し音質が魅力的だったらなあ・・・”と感じさせられました。
LEXUS RX350 F SPORT エンジン

“F SPORTらしく”、また“乗心地もよい”わかりやすい乗り味

今回新型RXに試乗してみて、最も印象的だったのは、走行時の乗り味でした。
これまで、LEXUS車のF SPORTでは、“F SPORT”とはいっても色々なF SPORT味があったような感覚もありましたが、今回のRX350 F SPORTでは、『乗り心地の良さを維持しながら、走り面の面白さやシャープさも持ち合わせている』感じで、F SPORTとして乗り味の方向が“決まった”ように思われたからです。

これまでに経験したLEXUSのF SPORTでは、どれも『スポーツ版らしい硬さ』を常に意識するような面がありましが、このRX F SPORTも硬めなのでしょうが、ボディの剛性感・脚の動いている感が強く、結果的に、『F SPORTなのに乗心地が良い』という印象につながっている感じがしました。

また同時に、(ノーマル版と比較したわけではないが)『F SPORTらしさ』を脚や車両の動きに感じました。単に重厚で路面の凸凹や車両の動きへの対応性が良いというだけではない+αがあるように思われました。

具体的には・・・

  • 名古屋城近くの路の凸凹・不整路面の乗越し方がとてもよかった
  • NXでは気になったブレーキング時のノーズダイブ感がよく抑えられていた
  • 運転操作に対するクルマの反応が、どこかポジティブな感じで気持ちよい


といった点が、試乗で感じたRX F SPORTの走り味ポジティブ感想で、街中走行ながら、クルマの俊敏さや軽快さが充分感じ取れたように思われました。
LEXUS RX350 F SPORT ホイール

室内の広さと扱いやすさ。最新LEXUSらしいインテリアと操作系

全長4.9m・全幅1.9mもあるクルマとして当然かもしれませんが、乗り込んだ際に、『広くて使いやすそうなインテリアだ』と感じました。日頃、インテリアや荷室の狭い“UX”に乗っている私的には、居住性や広さも重要だなあ・・・と感じさせられる瞬間でもありました。

インテリアのデザイン・質感は、最新のLEXUS車らしく、自然で適度な囲まれ感ある内装は、長時間乗っても快適なのではないか?と思われました。

インパネ中央に配置された14インチスクリーンは、NX同様、このRXでも大きな存在感を持っており、操作性にも優れていると感じましたが、同時に、操作の階層構造を理解・記憶するまでに少し時間がかかるようにも思われました。
LEXUS RX350 F SPORT インテリア
LEXUS RX350 F SPORT ナビ

気になった点は・・・

試乗してみて“気になった点=ネガティブポイント”は、実はあまりありません。

  • スクリーンとステアリングに集約された各種操作系に関しては、使いこなすまではいかず、かなり勉強と慣れが必要な気がする
  • エンジンは静かだが、音質は普通の感じのサウンドで回しても面白味は少ない
  • ノーマルモード以外のドライブモードの不自然感程度で、特に大きなものはない

LEXUS RX350 F SPORT ドライブモード

LEXUS RX350“F SPORT”試乗 まとめ

全体のソフィスティケート感覚が心地よい

プレミアムブランドの上級SUVだから当然という見方もあるでしょうが、このRXに試乗し終わって最も強い印象は『クルマ全体のソフィスティケート感覚』でした。
内外装の雰囲気、運転しているときの音やクルマの反応、操作系やスイッチ類の操作感など、クルマ全体を貫く雰囲気としての洗練度といったものがわかりやすく・統一感あるように表現されていると感じました。

正常進化型モデルチェンジだが、その中身が好ましい。“踏み出した改良”

冒頭に、“新しいがRXらしい”&“RXらしいが新しい”と表現したように、今回のRXモデルチェンジは、正常進化型の改良なのだと思います。
ですが、その中身(外観・乗り味など)は、普通のモデルチェンジのレベルを超えるもので、一歩踏み出したものになっているように思われました
(紛れもなくRXなのだが、外観や中身のリファイン方向・レベルが好ましい感じ)

LEXUSの基軸車種としての役割を名実ともに果たす出来を目指したクルマ

RXというクルマは、量販FWD車をベースにつくりだした乗用車派生SUVのパイオニアで、プレミアムブランド・量販ブランドを問わず全盛となっている『クロスオーバーSUV化』を牽引してきた商品です。

RXらしいクルマとは、乗用車派生プレミアムSUVの典型であるとも言える訳ですが、今回のRXは、そうしたRXの基本コンセプト・商品要件を維持しつつ、一歩踏み出したクルマづくりになっているように思われました。
(乗る前は、“NXと共用部分も多いため、大きくしたNXなのでは?”と思っていましたが、実際に乗ってみると、上級であるだけでなく、ある種の思想性といったものも感じられました)

それはパワートレーンやボディ等の様々なハードウェアの積み重ねによるものなのでしょうが、全体として、LEXUSの基軸車種としての役割を持ったRXを新しくしよう・乗り味面での大幅なリファインを図ろう・・・等といった、考え方の明確さがあるのではないか?と、勝手な想像ながら思いました。

総合評価

・乗る前の期待値越えか?
〇+ (2.4ターボの走り・FSPORTの乗り味は期待値を超えていた)

・また乗りたいか?
◎ (サイズが許せば欲しいクルマなのだが・・・

※評価基準と評価マークの意味

項目/マーク

〇+

〇-

期待値を・・・

大きく上回る

上回る

まあ上回る

上回る部分もあるが・・・

下回る

また乗りたいか

とても乗りたい

乗りたい

まあ乗りたい

乗りたい面もあるが・・・

あまり乗りたくない

今回試乗したクルマはこちら!

〔試乗車〕:LEXUS RX350 “F SPORT”
〔車両価格〕:車両本体価格7,060,000円 オプション装備(パノラマルーフ等)計542,300円、販売店装着オプション計132,081円、税金等325,030円、総合計8,059,411円
〔主要諸元〕:
全長x全幅x全高・WB・車重:4,890mmx1,920mmx1,705mm・2,850mm・1,950kg
T24A-FTSエンジン:2,393cc,279ps/6,200rpm、430Nm/1,700~3,600rpm
4WD、WLTC燃費11.2km/L
サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク、タイヤ:235/50R21
〔試乗概要〕:レクサス名古屋西・試乗車両、販売店周辺約6km試乗ルート
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください

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