試乗記・レポート
トヨタ新型ノアのガソリン車を試乗レビュー「バランスよい現代のファミリーカー」
昨年モデルチェンジされた新型ノア。ハイブリッド車は年央にレンタカーで借りて試乗でき、「全方位的な改善・進化」が印象的と感じましたが、今回はガソリン車のレンタカーに乗ることができました。
オートポリスで実施したイベントの準備や現地までの足として使用しましたが、全体にバランスよくまとまったクルマで、「現代のファミリーカー」と呼べそうな気がしました。
そんな新型ノア(ガソリン車)の印象レポートを、クルマ大好き元トヨタの企画マンで、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から新型ノア(ガソリン車)の特徴を分解し、その魅力を探るレポートです。
<この記事の目次>
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:2023年3月
新型ノア・ガソリン車 試乗概要
バランス・まとまりの良い外観スタイル
このクラスのミニバンはファミリー層に多く選ばれるクルマかと思いますが、乗る人(人数や年齢層)の幅広さ・積むものの多様性・走る道や環境の多様性など、幅広いニーズに応える必要があり、その様々な要求を満たすパッケージングが求められると思われます。
その結果、どうしても競合車と似た寸法・外観スタイルになりがちですが、このノアに関しては、同クラスの中ではバランス・まとまりの良さが持ち味かな?と感じました。
扱いやすい操作系と乗りやすさ
レンタカーとして乗るクルマは、じっくり操作系を確認してから・・・といった余裕を持ちにくいことが多いので、シンプルで扱いやすい操作性が望ましいと思いますが、このノアに関しては、計器盤周り・シフトレバー周辺のスイッチ配置・運転席からの前後・左右の視界等、扱いやすいクルマになっていると感じました。
具体的に何がどうなので扱いやすい・・・とは表現しにくいのですが、パッと乗って、ナビ設定だけして走り出しても何の不安や不自然さもなく走行可能・・・といった点に扱いやすさを実感することができました。
使用価値重視のミニバンらしく様々な工夫がみられるインテリア
ミニバンは言うまでもなく使用価値が重視される商品ですが、今回イベントの準備や撤収に使用してみて、その使用価値を充分感じる事ができました。運転席だけでなく全席乗員のための様々な物置スペースや、シートアレンジ・・・といった乗員サイドに向けた各種装備・工夫だけでなく、様々な荷物を積みやすくする工夫(例:簡単操作でビッグラゲージモードにできる)があったからです。
イベント準備のためにハイエースVNを借りることが多い私ですが、今回はハイエースの在庫がなく、そのために借りたノアでしたが、イベント準備・撤収時にはハイエース同様の活躍をしてくれました。
パワフルとは表現できないが、充分な実用性能と自然なフィール
M20AエンジンとダイレクトシフトCVTによる走行性能については、自然で素直なフィールが印象的で、所謂CVT感はほぼ意識せずに走行することができました。
今回の走行は熊本空港周辺~阿蘇周辺の山道~オートポリスという行程でしたが、アップダウンの多いワインディング路で、パワフルとは表現できないが、普通の走りには充分な性能を発揮してくれました。
燃費はハイブリッド版とは大きな差があるも悪くないレベル
燃費に関しては、今回の走行177kmの平均で11.73L給油し15.1km/Lと、WLTC通りの数値になりました。(セクション毎の燃費は12~14km/Lが多かったが)
半年前に乗ったハイブリッド版では平均20km/L以上可能だった(満タン法で23.4km/L)ので、その差は大きいとはいえ、このクラスのガソリン車ミニバンとしては平均的なレベルではないか?と思いました。
しっかり感と静かさが印象的な乗り味
TNGA化されたメリットは、車体のしっかり感と全体的な静かさに表れていると思いました。今回の走行は、荒れた舗装路面等少なく、走行条件は良かったのですが、大変スムースかつ静かな走行ができたと思います。
脚のしなやかさや車体のしっかり感は乗員にとっての快適さはもちろん、前述したクルマの扱いやすさ・安心感といったものにもつながっているのではないか?と感じました。
最新装備で便利・安心
試乗モデルはレンタカーゆえのベースグレード(Xモデル)ですが、必要充分な装備レベルのため、不自由・不便を感じる事はありませんでした。
最新ナビゲーション・最新ADAS(先進運転支援システム)系装備が装着されており、便利で安心できるクルマになっており、例えば、電動パーキングブレーキやブレーキホールドが標準装備されているため、渋滞に出会ってもストレスが少なく乗っていることができました。
力の入ったモデルチェンジ
ハイブリッド車でも感じたことですが、全方位的に「力が入ったモデルチェンジ」を感じさせてくれる商品に仕上がっていると思いました。
例えば・・・TNGA化やパワートレーンの進化、操作系など、トヨタ最新の装備や機能が盛り込まれたクルマになっている点にそうした思いを持ちました。
バランスよい現代のファミリーカー
ミニバンを自分のクルマに選んだのは、米国駐在中に一年だけ乗ったシエナのみで、それ以外の所有体験はなく、私はミニバンについてどうこう言えるような経験・見識を持ちあわせていないと思います。
ですが、今回改めて最新のミニバンを使ってみて、日本の道路・駐車事情への適合度や色々な人・モノを乗車・積載することのやり易さ、どんな用途でもそつなくこなしそうな多目的感など、よくできた商品だと感じました。
少人数家庭である我が家には向いていませんが、家族移動や色々なモノを運ぶニーズがあるならば、そのニーズにはとてもよく適合したクルマで、「バランスよい現代のファミリーカー」と呼んでもよいのではないでしょうか?
総合評価
・乗る前の期待値越えか?
〇+ (ガソリン車も期待値を超えて良かった)
・また乗りたいか?
〇 (多人数乗車やラゲージあればレンタカーで選びたい)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:ノア・ガソリンXグレード
〔車両価格〕:2,670,000円(税込)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:4,695mm×1,730mm×1,895mm・2,850mm・1,600kg
M20A-FKSエンジン:1,986cc、170ps/6,600rpm、202Nm/4,900rpm
サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム、タイヤ:205/60R16
〔走行概要〕
熊本空港周辺~オートポリス2往復の合計177km走行(返却時ガソリン給油量:11.73L=15.1km/L)(区間別平均燃費12.0km/L~14.0km/L、WLTC燃費)
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください。
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