試乗記・レポート

「全方位的な“改善・進歩”」トヨタ新型ノア・ハイブリッドを試乗!

「全方位的な“改善・進歩”」トヨタ新型ノア・ハイブリッドを試乗!

走行イベントでは、パイロンの設置など、モノを沢山運ぶケースもあり、今回はその理由もあって、レンタカーに配備されていた『新型ノア』を選択してみました。三島駅から富士スピードウェイへの往復に使用し、街中・郊外・高速と一通りの走行ができましたので、その印象をレポートしてみたいと思います。クルマ大好き、元トヨタの企画マンで、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、「ノア・ハイブリッド」の特徴を分解し、その魅力を探るレポートです。

※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:2022年4月

新型ノア・ハイブリッド試乗概要 

(走行イベントの準備。パイロン設置に役立つミニバンでした)

外観スタイル:典型的なミニバンスタイル。「箱みたいだなあ・・・」

ミニバンに乗る機会は多くなく、記憶を辿ると7~8年前頃、エスクァイアが新発売された際、モニター車を貸していただき走行したのが最新 の機会でした。SUVやハッチバックに慣れた目には、まず「その大きさ感」と「箱感覚のスタイル」が印象的で、「この大きなクルマ、運転しやすいのだろうか?」との感覚に囚われました。

全くの門外漢ゆえ、そのデザイン云々を語る事はできないのですが、先代に比べて 、視界の良さを感じさせる外観と感じましたし、走行中、何度か競合車(ステップワゴンやセレナ)や先代のユーザーから「こちらを意識した視線」を感じたので、ミニバンユーザーに刺さる何かがあるように思われました。

「運転のしやすさ」に関しては、心配したような事はなく、「背の高さ=視点の高さ」と、「ボディ形状がスクエアな点」が相まって 、街中や駐車時では、むしろ運転しやすいクルマと呼べるのではないか?と感じられました。

走行性能:充分な性能だが、高速道路ではもう少し期待したくなる

今回のハイブリッドパワートレーンは、1.8Lエンジンは従来型ながら、全ての電動モジュールを刷新した「第5世代のハイブリッド」とのことです。今回、長泉沼津~新御殿場間の新東名高速(120km/h区間もあり)を走ってみましたが、「基本的には充分な性能」に思えました。ただ、追越加速や速度低下からのリカバリー加速では、「音は高まるが加速は後からついてくる」感覚は拭えず、もう少し期待したくなる点ではありました。

高速道路以外では充分なパフォーマンスで、静かな(エンジンが遠くにあるような感じがする)まま、交通の流れをリードできるクルマだと思いました。

燃費:レベル差大きいが、このサイズ・重量としては良好

WLTCモード23.4km/Lと表示されている試乗グレード(X)でしたが、富士スピードウェイとホテル(ルートイン新御殿場インター)間の流れのよい区間では、区間燃費23.6km/Lを記録することができました。燃費は、計測区間によるレベル差が大きく、例えば、新東名高速中心の区間では13.2km/L・街中では17.6km/Lと、様々な値だったのですが、返却直前の給油では、走行100kmで4.28Lしか入らず、計算上は23km/L以上の数字。このクラスの燃費レベルがどうなのか?あまりよく知りませんが、クルマのサイズ・重量(1,630kg)を考慮すると、とても良い燃費と言ってもよいのではないか?と思われました。

乗り味:ステアリングフィールなど、乗り味は着実に進歩

新型ノアはTNGAを採用し、“上質で快適な乗心地へ”・“会話が弾む静かな空間へ”と訴求されています(カタログ標記)。先代と比較すると、(路面の継ぎ目・凸凹の乗り越えではまだ気になる面があるものの)、脚のしなやかさやボディのしっかり感が増し、静かさもレベルアップしているような気がしました。また、ステアリングのフィールも、更に軽く、更にスムースになった感じで好感を持てました。

こういった『乗り味』面が、このクラスのクルマで、どれくらい重視されるのか?よく知りませんが、少なくとも運転者の立場では、着実な改善・進歩と感じられるものでした。

装備:最新ADAS・ナビゲーションなど、進化がたくさん

トヨタブランド最新のクルマとして、最新のADAS(※)が装備されるとともに、ナビゲーション(ディスプレイオーディオ)も最新のものに進化していました。
※ADAS:先進運転支援システム

トヨタのナビがディスプレイオーディオ化(+ナビユニットorスマホ利用でナビになる)されてからしばらく経ちますが、このノアで採用のディスプレイオーディオでは、ナビ画面や操作性が変更されていました。
基本的には、左手指で画面タッチを入力していく操作ロジックは変わりませんが、目的地設定の仕方など、少し変化しているので、これまでのトヨタナビに慣れた人には慣れに少し時間がかかるかもしれません。
ADASに関しては、最新のクルマらしく、レーダークルーズの速度制御等も洗練されているように感じられ、(あまり長距離とはいえないが)安心でラクな高速走行ができました。

使用価値:使用価値を高めるための色々な工夫・配慮

クルマの色々な価値(基本価値・使用価値・感性価値)の中で、ミニバンは圧倒的に『使用価値重視の商品』だと思います。
 
カタログの商品説明ページでは、パッケージ~ユーザビリティ~2ndシートユーティリティ~シートアレンジ~ストレージ~ドライバビリティ~パフォーマンス~セーフティ~コネクティッドの順となっており、使用価値を左右する項目から順に説明されています。
 
短い試乗時間で全てを試すことはできませんでしたが、簡単に操作できる「シートアレンジ」や、「バックドアがメカニカルにフリーストップする。凄い!」など、このクラスのクルマに求められる使用価値(=扱いやすく多様に使用できる室内空間)とはどのようなものか?を、見せつけられた感じがしました。

感想①:トヨタの最新装備や機能が織り込まれた『力の入ったモデルチェンジ』

「運転席に座って」、「色々操作してみて」、「走り出して」・・・の運転プロセスを通じて、新型ノアに込められた新しい工夫や、トヨタ初採用を沢山発見したように思いました。

レンタカーグレード(ベーシックな“X”モデル)ゆえに、装着装備面で試せるモノは限られていましたが、それでも、メカニズム的には、第5世代と呼ばれるハイブリッドへの進化、ボディ骨格のTNGA化といった基本性能、操作系では、新しいデザインのステアリング(ADAS系のスイッチ配置がクルマによって微妙に変わるのはちょっと気になるが・・・)や電動パーキングブレーキ 等など、トヨタの主力商品のらしい「力の入ったモデルチェンジ」と感じました。

感想②:どこか冷静でクルマに没入できない・・・ミニバン評価者にはなれない実感

新型ノアに100km乗ってみて、その「モデルチェンジとしての力の入り具合」や「トヨタ最新の商品に乗っている」感覚には強い印象を受けました。

しかし、ここからは、私自身の個人的な感覚でしかないのですが、「脚がよくボディもしっかりしていて乗り味がよくなった」や、「ステアフィールが繊細で気持ちよい」といった好印象を、どこか冷静になって眺めている自分がいて、まるで誰かから、「・・・そんな要素はたいして重要じゃないんだよ。ミニバンには使用価値・空間の工夫・・・。それらが家族や後席に乗る人に評価されるかどうか?が重要!」と言われているような気がしてしまいました。
先代に対して、また競合車に対して、相当のアドバンテージを持つべく、全方位的に改善・進化した印象の新型ノアでしたが、乗ってみて、「自分がいかにミニバン試乗インプレッションに向いていないか・・・」。そんなことも感じた試乗となりました。

総合評価 

・乗る前の期待値越えか?
〇 全方位的に改善・進化され好印象。期待値より進化していた

・また乗りたいか?
〇 ミニバンニーズはほぼないが必要であれば、このクルマは選択肢

※評価基準と評価マークの意味

項目/マーク

〇+

〇-

期待値を・・・

大きく上回る

上回る

まあ上回る

上回る部分もあるが・・・

下回る

また乗りたいか

とても乗りたい

乗りたい

まあ乗りたい

乗りたい面もあるが・・・

あまり乗りたくない

今回試乗したクルマはこちら!

〔試乗車〕:ノア・ハイブリッド Xグレード
〔車両価格〕:3,050,000円(税込)
〔主要諸元〕:
全長x全幅x全高・WB・車重:4,695mmx1,730mmx1,895mm・2,850mm・1,630kg 
2ZR-FXEエンジン:1.797L、98ps/5,200rpm、142Nm/3,600rpm+電気モーター 
サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム、タイヤ:205/60R16 
〔走行概要〕:
三島駅~富士スピードウェイ~三島駅の合計100km走行(返却時ガソリン給油量:4.28L=23.36km/L)(区間別の平均燃費は13.2km/L~23.6km/L)

※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください。

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