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台風接近!車はどこに停めるのが安全? 立体駐車場は本当に安心なのか
台風や豪雨による地下駐車場の浸水全損被害が相次いでいます。2025年9月に三重県で起きた豪雨では、地下駐車場が浸水し、274台もの車が被害を受けました。このニュースを見て、「もし自分の車だったら」と不安を感じた人も多いのではないでしょうか。
実は、災害時に絶対安全といえる駐車場所はありません。地下駐車場には浸水、屋外には強風や飛来物、立体駐車場の屋上にも風雨のリスクがあります。駐車場ごとの注意点と移動先を選ぶ際の判断基準、普段から準備しておきたい防災対策を紹介します。
※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください
大型の台風が接近しているとき、車はどこに停めればよいのでしょうか。「地下駐車場は避けたほうがよい」「立体駐車場なら安心」と考えがちですが、注意すべき点は浸水だけではありません。強風や飛来物、高潮、倒木など、地域や周辺環境によって想定される被害は異なります。
また、立体駐車場であっても、周囲の道路が冠水すれば車を出せなくなる可能性があります。屋上や出入り口付近では、強い風雨の影響も受けます。駐車場の形式だけで判断せず、立地や階数、建物内の位置まで確認することが大切です。
今回は、駐車場ごとの特徴と台風接近時の移動先を選ぶポイントを、元自動車メーカーエンジニアの視点も交えて解説します。被害を避けるために普段から準備しておきたいことや、冠水後にしてはいけない行動も取り上げます。
台風の日、車はどこへ停める? 浸水と強風の両面から考える

台風接近時の駐車場所を選ぶ際は、まず「水」と「風」のどちらが大きな脅威になるのかを考える必要があります。
屋根のない平面駐車場では、強風で飛ばされた看板や瓦、折れた枝などが車に当たるおそれがあります。周囲に背の高い樹木や大きな看板、資材を置いた建設現場などがある場合は、より慎重な判断が必要。土地が低い場所や河川の近くでは、豪雨や河川氾濫による浸水にも注意しなければなりません。
地下駐車場は風雨や飛来物を避けやすい反面、地上から雨水が流れ込むと逃げ場が限られます。2025年9月に三重県四日市市の地下駐車場で発生した浸水では、浸水開始から10分ほどで水位が急激に上昇し、274台の車両が被災しました。短時間の豪雨では、止水板や排水設備があっても対応が間に合わない場合があります。
機械式駐車場も、地下ピットに車を収める方式では同様の注意が必要です。とくに下段は雨水が集まりやすいため、大雨が予想される段階で管理会社の案内を確認し、必要であれば早めに車を移動させましょう。
浸水と強風の双方を避けやすいのは、自走式立体駐車場の建物内部です。なかでも、周辺の想定浸水深より十分に高く、屋上や出入り口から離れた階は、移動先の有力な候補になります。
ただし、災害時の車両避難を受け入れているかは確認が必要です。営業時間外に閉鎖される施設や、長時間の駐車を認めていない施設もあります。事前に利用条件を確かめ、無断駐車や管理者の指示に反する利用は避けてください。
なお、台風や洪水、飛来物などによる車の損害は、一般に任意保険の車両保険で補償されます。ただし、契約タイプや免責金額によって扱いが異なるため、加入中の保険内容をあらかじめ確認しておきましょう。
地下、屋上、出入り口付近……台風時に避けたい駐車位置は?

同じ駐車施設でも、車を停める位置によって受ける影響は変わります。台風が接近する前に、次のポイントをチェックしてみましょう。
※「○=比較的リスクを抑えやすい」「△=条件によって異なる」「×=台風時は避けたい」
地下駐車場:△

雨風や直射日光を防げる地下駐車場は、普段は使い勝手のよい駐車場所ですが、ハザードマップで浸水想定区域にある場合は注意が必要です。豪雨や河川氾濫、高潮の予報が出たら、早めに地上の安全な場所へ移動させることを検討してください。台風の接近時には、管理会社が車両の移動を呼びかけることもあります。地下が複数階ある場合は、できるだけ上階へ移動できないか確認しておくと安心です。
屋上駐車場:△

屋上駐車場は浸水を避けやすいものの、強風や飛来物の影響を受けやすい場所です。フェンスや設備の一部が破損したり、周囲から物が飛来したりする可能性もあるため、建物内部に空きがあれば、屋上よりそちらを選ぶほうがよいでしょう。
立体駐車場の出入口付近:△

立体駐車場の出入り口や外周部も、風雨が吹き込みやすい場所です。普段は出入りしやすく便利ですが、台風の接近時には、屋外に面した区画を避け、できるだけ建物の内側を選ぶと安心です。
街路樹の下:×

樹木のそばも注意が必要です。強風で枝が折れたり、幹や根が傷んでいる木が倒れたりすると、車が大きな損傷を受ける可能性があります。普段は日差しを遮ってくれる場所でも、台風時には別の区画を選んでください。
建物内部の中層階:○

自走式立体駐車場のうち、想定浸水深より高く、屋上や開口部から離れた建物内部は、浸水や飛来物の影響を比較的受けにくい場所です。ただ、河川の氾濫や高潮によって周辺一帯が浸水すれば車を出せなくなることもあるため、そこへ向かう道路や周辺地域のハザードマップも確認しておくと安心です。
車を移動させるならいつ? 今日から準備したい防災対策

台風が迫ってから移動先を探し始めると、立体駐車場がすでに満車になっていたり、周辺道路が渋滞していたりすることがあります。まずは自宅だけでなく、月極駐車場や勤務先など、普段車を置く場所の浸水リスクを調べておきましょう。台風のたびに探すのではなく、候補をいくつか決めておくと行動しやすくなります。災害時に利用できる自走式立体駐車場が近くにあるか、営業時間や料金、夜間の出庫条件なども確認しておくと安心です。
車を移動させる場合は、雨や風が強まる前に行います。避難指示が発令されたあとや、道路の冠水が始まってから車で移動するのは危険です。車を守ることより、人の安全を優先してください。
燃料も早めに補給しておきましょう。台風通過後は、停電などでガソリンスタンドが営業できなくなったり、給油を待つ車で混雑したりする可能性があります。日頃から燃料が少なくなりすぎる前に給油する習慣をつけておけば、災害時にも余裕を持って行動できます。
電気自動車やプラグインハイブリッド車は、台風接近前に十分充電しておくと、停電時の移動に備えられます。外部給電機能を備えた車種であれば、車内のAC100Vコンセントや給電機器を通じて、家電製品などへ電力を供給できる場合もあります。対応する機器や使用できる電力、操作方法は車種によって異なりますので、取扱説明書を読み、実際の操作を一度確認しておくことをおすすめします。
自宅の駐車場周辺にも目を配りましょう。自転車やプランター、物干し竿、清掃用具などは、強風で動いたり飛ばされたりすると車を傷つける原因になります。屋内へ移すか、風を受けにくい場所で固定してください。
新たに月極駐車場を契約する際も、料金や自宅からの距離だけで決めるのではなく、土地の高さや排水状況、周囲の樹木や看板などを確認しておくと、台風や豪雨への備えにつながります。
冠水路へ進入しない! 台風接近時に避けたい行動

冠水した道路には、できる限り進入しないでください。水面からは路面の状態や水深を判断しにくく、アンダーパスなどでは手前から想像する以上に深くなっていることがあります。側溝やマンホールのふたが外れていても確認できません。
エンジン車では、吸気口から水を吸い込むと、シリンダー内に入った水によってコンロッドなどが損傷する「ウォーターハンマー」が発生し、エンジンが全損してしまう可能性があります。
また、車内まで浸水した場合は、水が引いたあとも自分でエンジンやハイブリッドシステムを始動させないでください。外観に異常がなくても、電気系統のショートや感電、車両火災につながるおそれがあります。水が完全に引いた後であっても、決してキーを回したりスタートボタンを押したりせず、速やかにロードサービスやレッカーを呼びましょう。 とくに電気自動車やハイブリッド車には高電圧のバッテリーが搭載されているため、オレンジ色の高電圧ケーブルやバッテリー周辺には触れないでください。
また、強風に備えてワイパーを立てるのは避けましょう。立てたワイパーアームが風にあおられて倒れると、フロントガラスやアームを傷める可能性があります。台風時は通常の位置へ戻し、車両の取扱説明書に従ってください。
まとめ
台風の日に、どの車にも当てはまる安全な駐車場所はありません。浸水の可能性が高い地域では土地の高さを優先し、強風が懸念される場合は屋外や屋上、樹木や看板のそばを避けるなど、予想される災害に応じて選ぶ必要があります。
大切なのは、その日の天候や周囲の環境を踏まえて、よりリスクの少ない場所を選ぶことです。そして、ハザードマップを確認したり、早めに給油を済ませたり、バッテリーEVやPHEVなら早めに充電を済ませたりと、日頃から小さな備えを積み重ねることも重要です。移動先の候補を事前に決め、ハザードマップや施設の利用条件を確認しておけば、台風が迫ったときにも落ち着いて判断できます。
ただし、雨風や冠水が始まってからの車両移動は禁物です。愛車を守るための行動が、自分や同乗者を危険にさらしてはなりません。早めの給油や充電、駐車場周辺にある物の固定など、平常時にできる準備を重ねておくことが、台風や豪雨による被害を減らすことにつながります。
早めの備えで被害を避けることを第一に考え、台風や豪雨から愛車とカーライフを守りましょう。
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