試乗記・レポート
トヨタ ヤリスHEV “U”グレード試乗レビュー“一部改良”できめ細かくブラッシュアップされた俊敏コンパクトカー
2024年1月に一部改良が施されたトヨタのコンパクト量販車“ヤリス”。
UグレードはKINTOのみ取り扱っています。クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から最新“ヤリス”の出来映え・走り味を確かめて、特徴を分解し印象・感想をレポートしたいと思います。
<この記事の目次>
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年6月
ヤリスHEV “U”グレード試乗概要
コンパクトで個性ある外観スタイル+操作性改良されたインテリア
一部改良されましたが、外観スタイルでの変更は僅かで、目立つ点はフロントグリルの意匠変更程度ですが、“俊敏でキビキビと走るコンパクトカー”という佇まいの個性あるスタイルで、古さを感じさせないクルマと思いました。
ドアを開けて内装をチェック。これも一見するとあまり変わった印象はありませんが、細かく色々と改良が加えられていました。
例えば…
- レーダークルーズがワンタッチでセット可能になった
- センターディスプレイの仕様・意匠が新しいものになった
等など、使い易さ面での実質的な改良となっていました。
全体に扱い易さのある室内ですが、更に改良してほしい点として、“メーター内ディスプレイのサイズが小さく(4.2インチ)色々な情報を読みにくいこと”、そして“電動パーキングブレーキ&ブレーキホールドが欲しくなること”がありました。
動力性能と燃費のハイレベルな両立。エンジン音が静かになった感じ
ヤリスは、もともと“良く走り・燃費も良い(特にハイブリッド)クルマ”ですが、今回、高速道路~郊外路・街中と250km以上走行してみて、更にその感を強くしました。
平日の朝&昼間という時間帯、仕事のために結構速く走るクルマが多い交通環境のなかで、流れに乗って走行しましたが、1.5Lエンジン+電気モーターのパワートレーンによって充分以上の動力性能で余裕の走りが出来ました。
ハイペースで走って、燃費が30km/L以上(254km走行の平均燃費30.8km/L)も記録できると、とても得をした気分になれますし、“ヤリスHEVならではの価値”を実感できた感じがしました。
細かい点ですが、エンジン音が静かになった感じがしました。フル加速時などエンジン負荷を高くしたときのサウンドが、これまでの“3気筒感あるもの”から、より静かになり、音をあまり意識せずに済むようになったと思います。詳しくはよくわかりませんが、今回の改良によるものではないかと思いました。
どこでも安定してキビキビ走るクルマ。走り味も改良された感じ
“コンパクトで走りの良いクルマ”…それは“ヤリスのイメージ”として定着している事と思いますが、今回、色々な路で走行してみて、そのイメージ通りのクルマだと感じました。
高速道路では、(速めのペースでも)安定した走り・クルージング能力の高さを実感できましたし、街中では、そのコンパクトさと俊敏さを活かして取り回しがとてもしやすいクルマ、ワインディング路では、シッカリ感と動質の高さ(思ったようにクルマが動き、安定して走行できる感覚)を感じとれました。
また今回の一部改良で、走り味自体がより安定しシッカリしたものに改良されたように感じました。プレスリリースでは言及されていませんが、乗心地の感じ、走り味の感じ、前述したエンジンの静かさ等、乗っていて、よりソフィスティケートされた走り味で、ボディ強度アップや足回り味付けの見直し等の改良がなされたのではないか?と推測しました。
コンパクトカーとしては良好な乗心地。ロードノイズだけがちょっと残念
改良された感のある乗心地ですが、改良前同様“地に脚がついた感じ”(=路面状況やタイヤの状況をシッカリ伝えてくるもの)で、車重1,050kgの軽量コンパクト車としては良好と表現できると思います。
高速道路の橋脚部分の継ぎ目だけは、ちょっと苦手な感じでしたが、それ以外は、高速道でも一般道でもシッカリした乗心地を感じつつ走ることができました。
ひとつ気になったのはロードノイズで、路面状況の変化によって(特に高速道で)結構大きな音で伝わってきて少し気になり、出来れば改良してほしい点だと思いました。
進化しているADAS。PDAも装備され安心・安全に走行できるクルマ
今回、“改良型ヤリス”に乗って最も印象的だったのは、走り味の改良・エンジンノイズの低減と先進運転支援システム(ADAS)の進化でした。
ADASは、今や全クラスで著しい進化を遂げている装備ですが、このヤリスでも、プリクラッシュセーフティの検出対象範囲拡大やプロアクティブドライビングアシスト(PDA)の設定など、重要な改良・仕様追加がなされています。
加えて、今回乗ってビックリしたのは、レーントレーシングアシスト(LTA)の性能向上で、これまでのヤリスでは、操舵が行き戻りしたりしてなかなかクルマ任せにはできなかったのですが、今回の改良型では、ピタッとレーン中央をキープして走行でき、走行しているクルマが“白線”をシッカリ見て操舵している実感があり、これには本当に驚かされました。
ヤリスHEV “U”グレードまとめ
- トヨタのコンパクト量販車として、俊敏かつバランスよく仕立てられたクルマ
- 競合の厳しいBセグメント市場だが、そのコンパクトさや全体のバランス、ハイブリッドの低燃費は大きな商品力
- 一部改良でADASの進化や走り味・静かさの改良等、細部までブラッシュアップ
- KINTOのみ取り扱いの“U”グレードは実質本位の合理的セレクション+α
(お届けした後もクルマを進化させ、カーライフを見守り続ける…カタログより)
―コネクティッドトレーナー、コネクティッドカーケア
―ソフトウェアアップグレード、ハードウェアアップグレード
総合評価
- 乗る前の期待値越えか?
〇+ (LKAやPDA等のADAS系制御の改良や走り味は期待を上回っていた)
- また乗りたいか?
○+ (社用車とした場合にもこのクルマで用が足り走行満足度も高いのでは?)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:トヨタ ヤリスHEV “U”グレード
〔車両価格〕:月額利用料23,760円~(税込)※KINTOのみ取り扱いグレード
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:3,950mm×1,695mm×1,495mm・2,550mm・1,050kg、直列3気筒M15A-FXE:1,490cc、91ps/5,500rpm、120Nm/3,800-4,800rpm+電気モーター 1NM:80ps、141Nm、前輪駆動、WLTC燃費:35.4km/L、サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム、タイヤ:175/70R14
〔走行概要〕:名古屋⇔名阪スポーツランド往復254km走行(平均燃費30.8Km/L)
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
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