試乗記・レポート

「巧いスタイル・パッケージングのAセグメントSUV」トヨタ ライズに試乗!

「巧いスタイル・パッケージングのAセグメントSUV」トヨタ ライズに試乗!

SUV・クロスオーバーの人気が定着してかなりの年月が経過しましたが、各社の新商品・商品改良のペースはまだまだ衰えないようで、トヨタでも、新型ハリアー・ヤリスクロス・カローラクロス、そしてクラウンのクロスオーバーと、立て続けに、SUV・クロスオーバー商品が投入されています。

そんなSUV・クロスオーバー領域に、エントリー車種として、2019年に投入されたのがライズ。2021年6月(1.0Lターボ)・2022年6月(1.0Lターボ)・2022年3月(ハイブリッド)に試乗しましたので、その印象をレポートしてみたいと思います。クルマ大好き、元トヨタの企画マンで、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、「ライズ」の特徴を分解し、その魅力を探るレポートです。

<この記事の目次>

※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。

ライズ試乗概要

外観スタイル

5ナンバーでも立派に見える外観スタイル。新鮮なAセグメントSUV。
街中でよく見るようになったライズですが、いつも思うのは「結構立派なクルマだなあ」ということ。ぱっと見、5ナンバーサイズとは思えない感じがします。

また、このクラスでのSUVルックの商品という点がポイントで(AセグメントのSUVは、以前販売されていたキャミ/テリオス・ラッシュ/ビーゴを除けばスズキのクロスビーとジムニー位)、トール系コンパクトのSUV味付けといった風のクロスビーとは異なる、本格SUVらしいフォルムでの存在感をライズに感じます。

今までにない「AセグメントSUV」としての新鮮さ、そして「5ナンバーサイズでも立派に見える巧みな外観スタイル」。これらがライズ商品性の大きなポイントになっていると思います。

パッケージング:巧みなパッケージング・広く使い易い室内空間

ライズのカタログをみると、「SMALL PACKAGING」・「大きく見えるが、実は5ナンバーサイズ。運転がしやすく、狭い道もスイスイ。」と表現されています。外観が5ナンバーでも立派に見えるのに加えて、室内寸法も(意外なほど)取られています。

5ナンバーの室内幅の狭さや窮屈さを感じさせない空間設計(パッケージング)がなされており、運転席から後ろを振り返ってみても、また、バックドアを開けてラゲージルームを見ても、結構スペースが取れている事がわかり、「巧くつくってあるなあ・・・」と感じさせられるクルマです。
(全長4m・全幅1.7mの中で巧みに確保された室内&ラゲージ空間)

走行性能・乗り味:3気筒感は気になるが必要充分な動力性能(1.0Lターボ)

昨年は販売店で、本年はレンタカーで乗ったパワートレーンは1.0Lターボ(FWD)
 
レンタカーは、広島駅前で借りてイベント会場のTSタカタサーキットまでの走行(高速8割・市街地1割・郊外1割)に使いましたが、アップダウン・カーブの多い中国道でも、余裕持って速い流れに追従して走行することができました。
 
加速時の音や振動に「3気筒感はあるなあ」とは思うものの、街中・郊外走行・高速道路ともに全く無理がないパワートレーンだったと思います。
(1.0Lターボ車のエンジンルーム)

街中走行:ハイブリッドはこれまでのトヨタHEVとは少し違った乗り味

本年販売店試乗したハイブリッドは、1.2Lの新開発3気筒エンジンにモーターを組み合わせたもので、これまでのトヨタ式とは違い、シリーズハイブリッド。日産NOTE等と同様に、エンジンは直接駆動せず充電に専念し、駆動はモーターによるものとなっています。

その乗り味ですが、「確かにハイブリッドと実感できる乗り味」であるとともに、プリウスやアクア等のトヨタ式ハイブリッドとは一味違ったものになっていました。良し悪しではなく、フィールの違いで、乗ってみないとわからないポイントだと感じましたし、また、スロットルを離すと電制ブレーキがかかるのは、これまでのトヨタ商品ではなかったもの(除くアクアのPOWERモード時)なので、ある種の新鮮さを覚えました。

短時間の街中試乗ゆえ動力性能についてはあまり試せていませんが、街中走行には充分な性能のパワートレーンだと思いました。
(ハイブリッド車のエンジンルーム)

商品としてのまとまり:街中走行は見晴らしよくラクで乗心地も好印象

SUVで売りの一つは「高い視点からの良好な視界」ですが、このライズに関してもその通りで、コンパクトなボディサイズと相まって混んだ市街地でも大変ラクに走行することができました。

また、街中走行では乗心地も良好で、舗装の荒れや不整をうまくいなしている印象がありました。ただ、レンタカーで乗った時に走行機会のあった高速道では、悪くはないが、クルージング時の面白さや凸凹・不整路面での良さはあまり感じ取れず、「街中走行中心に味付けられているのかな?」と思いました。

感想①:よくまとまった5ナンバーSUV・・・好評な理由が理解できた

「外観が立派に見える5ナンバーSUV」という点が最大のセリングポイントと感じたライズですが、乗っても運転しやすく、不足のない動力性能、使い勝手のよいインテリア、街中走行での乗り味など、多くの商品要素で、とてもよくまとまったクルマだと思いました。

2019年に発売されてから販売が好調に推移しているということですが、乗ってみて、その好評な理由が理解できた気がしました。(2021年間国内乗用車販売ランキングで6位・80,880台)

感想②:これまでにないポジションへの商品投入

ライズの商品としての最大のポイントは、それまでにないポジションへの投入ということにあると思います。
 
これまで、本格SUVルックのクルマが存在しなかった(除くジムニー)Aセグメントに、新たにSUV・クロスオーバーをFWDベースで造って投入した(キャミ/テリオス・ラッシュ/ビーゴよりも本格SUVルックの商品)。その結果、既存SUVより小さく安いポジションに位置づけられる本格SUVルックのクルマが出来、スタイルや多用途性、基本性能(動力性能や乗り味、燃費など)も含めて、マーケットから評価されることになった。といった事ではないでしょうか?

 総合評価

・乗る前の期待値越えか?
〇 全般的なまとまりの良さ・街中走行での扱いやすさは期待値以上

・また乗りたいか?
〇- 自分のニーズ領域とは言い難いが、狭い道走行多い状況では選択したくなるかも?

※評価基準と評価マークの意味

項目/マーク

〇+

〇-

期待値を・・・

大きく上回る

上回る

まあ上回る

上回る部分もあるが・・・

下回る

また乗りたいか

とても乗りたい

乗りたい

まあ乗りたい

乗りたい面もあるが・・・

あまり乗りたくない

今回試乗したクルマはこちら!

〔試乗車〕:トヨタ・ライズ Zグレード (レンタカーはGグレード)
〔車両価格〕:2,039,000円(ガソリン2WDZ)、2,328,000円(ハイブリッド2WD Z)
〔主要諸元〕:ハイブリッド2WD Z
全長x全幅x全高・WB・車重:3,995mmx1,695mmx1,620mm・2,525mm・1,070kg
WA-VEXエンジン:1.196L、82㎰/5,600rpm、105Nm/3,200~5,200rpm+モーター
サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム、タイヤ:195/60R17
〔試乗概要〕:1.0Lターボ車※に販売店試乗ならびにレンタカー乗車(285km走行・平均燃費16.1km/L) ハイブリッド車に販売店試乗
※補足:2021/11にEGバリエーション変更あり。現在ターボ装着車は4WDのみ
 
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください。

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