運転中に眠気が…対処法や事前対策はある？眠気に関するあれこれ

急がば回れ！「仮眠をとる」

急な眠気の対処法をご紹介する前に、まず大前提としてお伝えしたいのは、睡眠不足や過度な疲労状態での運転は避けるべきだということです。

道路交通法第66条でも「何人も、前条第一項に規定する場合（酒気を帯びて運転してはならない）のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」と明記されています。

参考サイト：e-Gov 法令検索「道路交通法第66条」

とはいえ、睡眠が特に不足しておらず、疲れていなくても、昼食後などは眠くなるものです。運転中にぼんやりしてきたら、パーキングエリア等に駆け込み、20分以内の仮眠をとることをお勧めします。短時間の仮眠を取ることで、安全で効果的に眠気を解消することが期待できます。

参考サイト：J-STAGE「午後の眠気対策としての短時間仮眠」

仮眠後は、車を降りて新鮮な空気を吸いながらストレッチなどをして血流を良くし、しっかりと目を覚ましてから運転を開始するようにしてください。仮眠前にカフェインを摂取しておくと、ちょうど起きる頃にカフェインが効き始めるため、よりすっきりとした状態で目覚めることが期待できます。

参考サイト：厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

急な眠気に対処する方法5選

そうはいってもどうしても先を急がなければならない、といった場合には、以下で紹介する眠気解消法をいくつか組み合わせて実践してみましょう。

窓を開けて新鮮な空気を取り入れる

手軽で効果的とされるのは「窓を開ける」こと。締め切った車内で長時間過ごすと、眠くなりがちです。たとえ夏の猛暑下であっても、すこし我慢して換気をすることで、車内の二酸化炭素濃度が低下し、頭がすっきりします。ぜひ試してみてください。

参考サイト：東北大学「環境中の二酸化炭素は確かに眠気を誘発する」

身体を急激に冷やす

冷房を最低温度に設定することで強めに効かせることのほか、「冷やす」手法を活用することで交感神経を刺激し、眠気を覚ますことが期待できます。

例えば、冷却シートを身体に貼ったり、冷えた飲み物の容器を首元に当てたりする方法があります。また、氷を口に含んだり（舌の神経はとくに敏感）、メントールの強いボディタオルで身体を拭いたりすることで交感神経が刺激されるため、眠気覚ましにうってつけです。冬であれば、窓を開けるだけでも、冷たい風に当たることができますね。さらに、休憩時に冷水で顔を洗ったり、メントール入りの目薬を使用すれば（ちょっと前のテレビCMのように）清涼感は抜群。

仮眠するほどの時間がない場合でも、パーキングエリアでこれらをいくつか実践すると、頭がシャキッとし、再び運転に集中できるようになるはずです。

参考サイト：JAF Mate総研「運転中、眠気に襲われたら…あなたの対策は？」

噛みごたえのあるおやつを食べる

かたいおせんべいや顎をよく動かすガム、スッキリした清涼感が味わえるタブレットを食べるのも、運転中の眠気を覚ます方法としておすすめです。おやつを食べることで適度に糖分を補給できるため、脳の活性化が期待できます。

糖分の補給という意味では、ラムネ菓子もおすすめ。また、カフェインとの相乗効果が期待できるため、コーヒーやお茶と一緒に摂取してみてください。ただし、お腹いっぱいになると逆に集中力が低下する可能性があるため、食べ過ぎには注意してください。

参考サイト：BRAIN SLEEP OFFICIAL SITE　「【医師監修】いますぐ眠気を覚ます方法12選！瞬時にできる眠いときの対処方法について」

アップテンポの音楽を聴く

アップテンポな音楽は、交感神経を優位にしてくれるため、眠気覚ましにぴったり。逆に落ち着いた曲はリラックス作用があるとされるため、眠気覚ましには不向きです。普段はアップテンポな音楽を聴かないという人も、ぜひ取り入れてみてください。

参考サイト：クロア-メディア「睡眠用BGMでぐっすり眠る効果を高めるための3つのポイント」

大声で歌う

また、音楽は聴くだけでなく自分で歌うのもおすすめです。ラジオの曲に合わせて歌ったり、アカペラで好きな曲を口ずさんだりしてみましょう。

ポイントはできるだけ口を大きく開けて大声で歌うこと。顎や頬の筋肉を動かすことで、脳に刺激が伝わり、眠気を飛ばすことが期待できます。

参考サイト：JAF Mate Online「長距離ドライバーに聞いた眠気対策の知恵を睡眠専門医が検証」

眠気防止のツボを刺激する

「百会（ひゃくえ）」と呼ばれる頭のてっぺんにあるツボは、頭の上で両耳を結んだ線と、鼻から上に通る線が交わるところにあります。正確な場所が分かない場合は、頭頂部の中心と思われるところを、指の腹で探ってみてください。100円ショップでツボ押しの器具を手に入れておくと力を入れやすくなるため、刺激しやすいでしょう。

これらは、人によって感度が異なると思われるので、あくまで参考程度に取り入れるようにしてください。

参考サイト：ぽん鍼灸院「即効で眠気覚まし【眠気を覚ます】ツボ（手、耳）をご紹介！」

とはいえ、眠くなってからの対策よりも、眠気が出るまえに対策を！

安全運転のためには、眠くなってから対策するのではなく、そもそも眠気が出ないように事前に準備をしておくことが大切。運転中の眠気を予防するには、日ごろから疲労を蓄積させないよう注意し、睡眠を十分に確保することが基本です。また、薬の服用には十分注意し、体調を管理することも重要です。

更に、昼食後の時間帯の運転を避けたり、満腹にならないような食事を心がけたりすることも大切です。特に血糖値が急上昇してしまうメニューを避けることで、眠気の発生を防ぐことが期待できます。

さらに、長時間ドライブではこまめな休憩も必要です。ポイントは疲れを感じる前に休憩をとること。目安として2時間に1回はクルマから降りて身体を動かすことで血流を促進し、深呼吸をして酸素を取り入れるようにしてください。上手に自分の体をコントロールして、安全にドライブを楽しみましょう。

参考サイト：

• JAF Mate Online「管理栄養士おすすめ! 眠くならない、疲れにくい、運転にベストな食事のとり方」
• アンファーからだエイジング【専門ドクター監修】「食後は眠くて眠くて、すべてが効率ダウン。眠気回避のポイントは血糖値にあり！」
• 江戸川区平井らいおんハート「整骨院グループ眼精疲労ですぐ眠くなるのはなぜ？」