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高速道路の走り方を紹介!渋滞時はどう走ったらいい?

高速道路の走り方を紹介!渋滞時はどう走ったらいい?

年末年始やゴールデンウィーク、お盆などの長期休暇は、高速道路の利用が多くなる時期。普段は高速道路を利用しないというドライバーであっても、帰省や旅行などで高速道路を利用する機会が増えるのではないでしょうか。しかしながら、普段利用する機会が少ないと高速道路を走る自信がない、という人も少なくないはず。高速道路の走り方、また注意するべき点についてご紹介します。

文:自動車ジャーナリスト 吉川 賢一 編集:KINTOコラム編集部

吉川 賢一(よしかわ けんいち)

この記事の執筆者

吉川 賢一(よしかわ けんいち)

自動車ジャーナリスト。日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。自動車ジャーナリストとして、新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さも伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナ、筋トレなど。

※記事公開時の情報に基づいており、最新でない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトなどでご確認ください

高速道路の走り方

高速道路を走行するにあたって最初の関門となるのが、本線への合流。高速道路走行が苦手というドライバーの多くは、この合流が怖いと感じているようです。高速道路本線への合流の手順をご紹介しましょう。

高速道路の合流

高速道路本線に合流する際の手順

まず加速車線に繋がる手前の誘導路(ぐるっと曲がっているような部分)に進入したら、自車の前方を確認します。このとき前走車がいる場合は速度を落とし、車間距離をとっておきます。これが意外と重要。このあとしっかりと加速をするためには、前走車との距離が必要となるからです。

誘導路を進み、加速車線の少し手前に差し掛かったらウインカーを出し、同時に合流する本線の状況をチェックします。

その後、本線を走る車と同じかそれ以上の速度まで加速をしながら、ドアミラーで本線を走っている車の動きを見て「あの車の後ろに入ろう」と目標を定めます。このとき、「本線を走行する車の後ろに入る」というのがポイント。「追われる」より「追う」ほうが心理的に楽だからです。

目標を定めたら、その車の斜め後方につけるよう速度を調節します。ルームミラーで自車の後続車の動きを確認し(自車よりも先に本線に入る可能性もあるため)、ドアミラーで本線の後続車との車間距離、そして目視で死角の安全確認をしてから、ゆっくりとハンドルを切り、本線へ合流します

高速道路本線への合流

合流には十分な加速と明確な意思表示が必要

本線上の交通量が多い場合など、合流しようとする車線の車が途切れず、入る隙間がないという場合もありますが、こちら側が「ここで合流する」と明確な意思表示をすることで、本線を走る車は減速をしたり、車線変更をしたりなどで合流をさせてくれます。

本線上のドライバーからすれば、合流しなければならないはずなのに、その意思表示をしてこないほうがよっぽど怖いというもの。本線を走行している車との車間距離をよく確認し、ここだと思ったら積極的に本線に入るようにしましょう

合流には十分な加速と明確な意思表示が必要

絶対にやってはいけないのは「停止」

高速道路本線への合流のシーンで絶対にやってはいけないことは「停止」です。タイミングが合わずどうしても合流できなかったり、妨害されて怖くなったりしたとしても、停止はしないようにしてください。一度止まってしまうと、加速車線だけでは本線を走る車と同じ速度付近まで加速しきれなくなります。

また、十分な加速をしないで本線に合流するのは、本線を走る車との車速に差が生じ、非常に危険であるばかりでなく、後続の車に迷惑をかけることに繋がります。後続の車に、あおり運転と捉えられてしまう可能性もあるので注意しましょう。

絶対にやってはいけないのは「停止」

合流後に気を付けたいのは「車間距離」

合流さえできてしまえば流出するインターチェンジまで走行するだけですが、本線走行する上でもいくつか注意しておきたいことがあります。

ひとつは車間距離。高速道路は文字通り、一般道よりも高い速度で走行しているため、万が一の際にも危険を回避できるよう、前走車との車間距離を十分にとっておく必要があります。警視庁によると、走行中の安全な車間距離としては、「2秒が目安」で、車速に関係なく、前走車が通過してから2秒後に自車がそこを通過していれば、適切な車間距離とのこと(※)。
※出典:警視庁「高速道路を利用する皆様へ

車間時間2秒以内で発生した事故は重大事故となってしまった事例が多く、逆に2秒以上離れていた時は重大事故にいたるケースが少ないことが統計的に示されています。ポイントは「ゼロイチ、ゼロニ」というように「ゼロ」をつけてゆっくりと数えると、適切に数えることができます。

ただ、「ちょっと車間を詰めすぎているな」と感じても、ブレーキペダルを踏んで速度を緩めることはできるかぎり避けるようにしてください。ブレーキペダルを踏んでブレーキランプを点灯させると、後続車としては「なにかあったのか」と危険に感じてしまうほか、頻繁なブレーキ操作は交通渋滞を引き起こす原因にもなってしまいます。アクセルを緩めたり、必要な場合はシフトダウンをしてエンジンブレーキ(ハイブリッド車の場合はBレンジなど)を利用したりして速度調節をしましょう。

合流後に気を付けたいのは「車間距離」

追い越し車線は追い越しをするときだけ!

また、「追い越し車線を走り続けない」というのも、高速道路を走行する際には注意したいこと。追い越し車線とは、2車線以上ある道路の一番右側の車線のこと。道路交通法第20条では、「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。」と規定されています。

もっとも右側の車線を通行できるのは、道路外の駐車場に入るときや右折(分岐や合流)するとき、指定通行区分があるとき、進路を譲るとき、道路の状況その他の事情によりやむを得ないとき、そして追い越しをするときなどです。

それ以外は原則、一番左(3車線以上ある場合は、もっとも右側以外の車線)の車線を通行しなければなりません。違反したとされれば、「通行帯違反」として普通車、二輪車の場合は反則金6,000円、大型車の場合は7,000円、そして違反点数1点が科されます。

通行帯違反での検挙件数は意外と多く、内閣府による「令和5年版交通安全白書」によると、令和4年に高速道路において通行帯違反で検挙された件数は5万7,011件。これは最高速度違反に次ぐ2番目に多い検挙件数です。

追い越し車線を一時的にしか利用できないことには、対向車線から飛んでくる可能性がある外れたタイヤなどとの衝突を防いだり、追い越しをスムーズに行うことができるほか、渋滞を予防、緩和する効果もあります。追い越し車線は、トラックなどの大型車が少なく走りやすい傾向にありますが、安全で円滑な交通を守るためにも走り続けることがないようにしましょう。

また、追い越しをする場合には3秒前にウインカーを点灯させ、追い越し車線を走る車に注意しながら車線変更をし、追い越した車の全体がルームミラーに映る距離まで走行してから走行車線に戻るようにしてください。追い抜いた車と十分な車間距離がない位置に戻ることは、危険であるばかりでなく、あおり運転とみなされる可能性もあります。

追い越し車線は追い越しをするときだけ !

トンネルは要注意!

高速道路にはトンネルが多くありますが、トンネルの出口では強風時に横風にハンドルを取られやすくなるほか、トンネル内で心理的圧迫が強まることで速度が落ちる傾向にあります。また、「視覚吸引作用」という、隣の車を意識するあまり、その車の方向に吸い寄せられてしまう現象に陥ってしまうことがあります。

狭いトンネル内では壁や隣の車が気になりがちですが、まっすぐ前を向き、前方の白線を意識して直進することを心がけましょう。

トンネルは要注意 !

渋滞しているときの走り方

長期休暇中などは酷い渋滞に遭遇することも少なくないですが、渋滞している高速道路に合流する際に心がけたいのが「ジッパー合流」です。

ジッパー合流とは、合流をしようとする車が加速車線の終点まで進んでから、そのポイントで一台ずつ合流していく方法のこと。規則的な流れを生み出すことで本線の流れの停滞を防ぐ方法であり、2本が1本の線になる様子から、「ファスナー合流」ともいわれます。

このジッパー合流を促した結果、渋滞による損失時間が約3割も減少したという事例もあるなど、その渋滞緩和の効果が実証されている方法です。

先行車が合流のために停滞しているのに、それを追い越して加速車線の先頭まで行くのははばかられますし、本線の車が渋滞で停滞しているのに、それを横目に合流レーンの終点まで進むことは勇気のいることですが、渋滞緩和のためにできるかぎり心がけるようにしたいものです。

もうひとつ渋滞時に注意したいのが、渋滞末尾のハザード点灯です。本線走行中に渋滞に遭遇し、速度が低下したり、停止してしまうような場合には、ハザードランプを点灯させましょう。ハザードランプを点灯することで後続車に渋滞していることを知らせ、追突事故となることを防ぎます。前走車の速度が低下してきたと感じたらハザードランプを点灯させ、後続車が速度を緩めてハザードランプを点灯したのを確認するまで、点灯させつづけましょう。

渋滞しているときの走り方

事前準備もしっかりと!!

高速道路を利用する際は、事前準備もしっかりと行っておく必要があります。

まず必要なのは燃料の残量の確認。高速道路のサービスエリアでも給油をすることは可能ですが、下道よりも割高になりますし、かといって燃料ギリギリで走行してガス欠となってしまうと、道路交通法第75条の10、「自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料(略)の状態を点検し、燃料(略)不足のため当該自動車を運転することができなくなること(略)を防止するための措置を講じなければならない。」という法律に違反する行為となってしまいます。

高速道路上のガソリンスタンドは夜間営業していない場合もありますし、ガス欠となってしまって高速道路上で動けなくなってしまうことは事故の原因になり大変危険です。高速道路を利用する際には、燃料に余裕があることを確認しておくようにしてください。

また、燃料の残量と同じくらい気を付けてほしいのがタイヤの空気圧。タイヤというと溝の深さやひび割れなどばかりに気を取られがちですが、それらと同じくらい空気圧も重要です。

車のタイヤにはそれぞれ指定されている空気圧がありますが、指定空気圧よりも低い空気圧となってしまうとたわみが大きくなり、大きな変形を繰り返すことで異常発熱、最後にはバーストしてしまいます。バーストしなくても、セパレーション(はく離)を起こしたり、たわみが大きくなることで走行抵抗が増えるため、燃費が悪化してしまいます。特にタイヤに負荷のかかる高速走行ではタイヤのトラブルが発生しやすく、実際、2023年度のJAFロードサービス出動理由をみると、一般道では全体の19.61%だったタイヤのトラブルが、高速道路では40.10%と倍以上も多くなっています。

空気圧不足はほかにも、本来のグリップ力が発揮できないことで走行安定性が低下したり、タイヤの排水性が落ちることで、雨天時の制動距離が延びたり、タイヤが偏摩耗してしまったりなど、さまざまな問題を引き起こします。車のタイヤは時間の経過とともに自然に空気が抜けていってしまうので、定期的なチェックが必要。高速道路を利用する際には事前にガソリンスタンドに寄って、給油とタイヤ空気圧の調整をするようにしましょう。

事前準備もしっかりと!!

まとめ

高速道路を走行する際に気を付けたいことをご紹介しました。いくつか気を付けなければならないことがある高速道路ですが、車間距離確保と速度調節の2つは特に重要です。

ただし昨今は、車が自動で車間距離を一定に保ち、定速走行をしてくれるアダプティブクルーズコントロール(ACC:車間距離制御装置)が装備されている車も多くなっており、これを利用することでさらに安心して高速道路を走行できるようになりました。

ACCは車間距離を自動で維持してくれるため、安心して走行できるばかりでなく、ドライバーの疲労も軽減してくれます。また、適正に車間を維持してくれるので、渋滞を緩和させる効果もあります。

トヨタ車では、追従ドライブ支援機能(レーダークルーズコントロール)やLKC(レーンキープコントロール)機能を含む「Toyota Safety Sense」や「スマートアシスト」を、多くの車に搭載しています。

また車のサブスク「KINTO」では、車の契約後にもメーカーオプションや新たな装備をアップグレードすることのできるサービス「KINTO Unlimited」を用意しています。対象の車種は、24年12月時点で、プリウス、ヤリス、ヤリス クロスのUグレードです。このサービスでは、高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の機能「アドバンストパーク」や高速道路などでの車線変更時の後方確認をサポートする「ブラインドスポットモニター」など、これまで車の契約後にはつけることができなかった安全・安心機能や装備の後付け=アップグレードも可能となります。気になる方はぜひ一度KINTO Unlimitedをチェックしてみてください。

ヤリス

文:自動車ジャーナリスト 吉川 賢一 編集:KINTOコラム編集部

吉川 賢一(よしかわ けんいち)

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吉川 賢一(よしかわ けんいち)

自動車ジャーナリスト。日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。自動車ジャーナリストとして、新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さも伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナ、筋トレなど。


最後に、購入以外にもトヨタやレクサス、SUBARUの新車に乗れる方法のひとつ「KINTO」についてお伝えします。

KINTO月々定額でトヨタ・レクサス・SUBARUの新車などをご利用いただける()サブスクリプションサービスを展開しています。
※一部取り扱いのない車種がある場合もございます

  • トヨタの新車が対象の「KINTO ONE
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などのサブスクリプションサービスを展開しています。

それぞれのサービスのベースとなるKINTO ONEを中心にご紹介します。

KINTO ONEとは?

KINTO ONEは、車両代金や登録諸費用のほか、自動車保険料(任意保険・自賠責保険)、各種税金、車検費用、正規販売店でのメンテナンス費用、所定の消耗品の交換費用、故障修理・故障時の代車費用などがコミコミ定額のサブスクリプションサービス。クレジットカード払いも可能です(※)。
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また、申込み~契約までインターネットで完結できます(販売店でのご相談も可能です)。

KINTO Unlimitedとは?

トヨタとKINTOが2022年12月7日に発表した「KINTO Unlimited」は、前段のKINTO ONEのサービス内容をベースに、車をお届けした後の「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」の2つの付加価値を追加することで車の価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げに充てることでリーズナブルにKINTOをご利用いただけます。

KINTO Unlimitedは新型プリウスUグレードよりスタートし、2024年1月からヤリス、ヤリス クロスでも提供が始まりました。お客様からの反響などを踏まえて、今後、ほかの車種にも拡大していく予定となっています。

充実したカーライフを送るためのひとつの手段として、KINTOの利用も検討してみてはいかがでしょうか?

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