試乗記・レポート
ルーミー カスタムG-T(一部改良以前モデル)試乗レビュー! 使用価値が極めて分かり易いコンパクト、まるで動く「箱」or「部屋」/ 街中で“超”運転し易いクルマ
2016年に発売されたトール系コンパクトカー、ルーミー。販売ランキングの上位にくるこのクルマの商品性・走り味はどうなのか?2024年一部改良以前のモデルを販売店で試乗してみました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:24年12月
ルーミー カスタムG-T(一部改良以前モデル)試乗概要
使用価値の高さ・運転し易さを分かり易く表現した外観スタイル
まさに「トール系コンパクト」。このルーミーが属する車種セグメントを表現した言葉ですが、実物をみると確かにとても背が高くコンパクトなクルマだと思いました。
| 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
---|---|---|---|---|
ルーミー(カスタムG-T) | 3,705 | 1,670 | 1,735 | 2,490 |
ヤリス | 3,950 | 1,695 | 1,495 | 2,550 |
タント(2WD) | 3,395 | 1,475 | 1,755 | 2,460 |
※数値単位:mm
外観スタイルは、このクルマの使用価値の高さ(人・モノ収容力の高さなど)や運転し易さを大変ストレートに表現しており非常に分かり易く、所謂「クルマの格好良さ」とは違いますが、このクルマの本質に結び付いたスタイリングで良いデザインだと思いました。

よく考えられており、工夫されたインテリア。運転手にも同乗者にも快適な空間
ルーミーのカタログ冒頭には「使える!動ける広い部屋!ROOMYを外に持ち出して、快適な暮らしを叶えるROOMYSTに」とのキャッチフレーズが掲載されています。
コンパクトな外寸ながら、背の高さや室内パッケージング、各種装備や仕様により、とても使い易そうな空間が拡がっていました。前席ドアは90度近く開くもので、後席はスライドドアと、乗降する人や積み降ろしするモノに便利なように造られていますし、シートアレンジにより、後席を広く使ったり、荷物を沢山載せたりできるようになっています。
また仕様、装備においても、オプションでシートヒーターが選べるなど、上級車に劣らないレベルで装着されており、これ一台で様々なニーズに対応可能なクルマづくりがされていると感じました。
運転者にも同乗者にも快適な空間を目指し、よく考えられ、工夫されたインテリアと仕様装備のクルマだと思います。

街中であれば充分以上の動力性能。3気筒感あるが気にならない
「背の高いコンパクト車だから走りはそこそこのレベルではないか?」と思って試乗しましたが、期待値を超える動力性能で走ってくれました。
試乗車は最上級グレードのカスタム G-Tで、1.0Lターボエンジンを搭載しており、98PS・140Nmを発揮。標準エンジンより、4割以上高い出力・トルクにより、街中走行では、充分以上の動力性能だと感じました。高速道路での走行などより負荷の高い状況ではどうかわかりませんが、少なくとも街中では不足を感じることはありませんでした。
加速時に3気筒特有のビートがあり、気にならない訳ではありませんでしたが、加速中の僅かな時間に留まり、すぐに気にならなくなるため、大きな問題ではないように思いました。
全体に、このクルマのコンセプトにはよくフィットしたパワートレーンだと思いましたし、乗り易く仕上げられたクルマだと感じました。

乗心地も悪くなく、街中の凸凹・不整路面でもしなやかに走行
人・モノ重視、街中走行が中心と考えられるルーミーですが、やはり街中での乗心地も好印象でした。
車両重量や装着タイヤなどの要因もあるかと思いますが、街中で遭遇する凸凹や路面の継ぎ目などを上手くしなやかに乗越え、良好な乗心地で試乗でき、このクルマの使用シーンとして想定される4名乗車+荷物といった状況でも、そのしなやかさが維持されるのではと思いました。
コンパクト+大きな窓+高い視点⇒街中で“超”運転し易いクルマ
今回、名古屋市内でルーミーに乗って最も印象的だったのは、街中で“超”運転し易いクルマという事でした。
コンパクト車はもともと運転し易いものですが、このルーミーはその中でもサイズ(全長3.7M・全幅1.67M)が小さく、街中の走行に最適だと思いました。駐車車両や右左折車の多い街中走行でも間をすり抜けることができ、右左折、Uターンなど(最小回転半径4.7M)でも扱い易いです。そこに、大きな窓からの良好な視界と高い視点からの安心感ある視界といった要素が組み合わさることで、とても運転し易いクルマだと感じました。

ルーミー カスタムG-T(一部改良以前モデル)まとめ
市場がクルマに求める使用価値をとても分かり易く提示した商品
- 色々に使える室内空間や乗り降りしやすいドアなど、細かい配慮
- 動力性能や乗心地など、走りについても充分なレベルを確保
- 街中で“超”運転し易いクルマ
幅広いユーザー層を獲得しているのもよく理解できる
- 日本国内で特に顕著な「背の高いクルマ指向」のクルマ
- クルマの室内空間を「部屋」と捉える感覚
- 様々なユーザー層のニーズ、ウォンツを汲み取ったクルマづくり



総合評価
- 期待値を上回ったか?
〇+(使用価値・運転し易さ・乗り味等期待値越え)
- また乗りたいか?
〇(もう少し長い時間乗ってみたい感じもするクルマ)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:カスタムG-T(2024年一部改良以前モデル)
〔車両価格〕:¥2,257,200(現行モデル 車両本体価格)
〔主要諸元〕:
全長×全幅×全高・WB・車重:3,705mm×1,670mm×1,735mm・2,490mm・1,110kg、直列3気筒1KR-VETターボ:996CC、98PS/6,000rpm、140Nm/2,400-4,000rpm、前輪駆動、WLTC燃費:16.8km/L、最小回転半径:4.7m、サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム、タイヤ:175/55R15
〔試乗概要〕:TM中京 吹上店試乗車、試乗コース約5km走行
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください
≪YouTubeにてルーミー カスタムGの動画を公開中≫
ルーミーのレビュー動画を公開中です。合わせてご覧ください。
※2024年12月の一部改良前のモデル
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