Column Vol.1  「人」に寄り添ったクルマの進化 その原点に迫る

「人」に寄り添ったクルマの進化 その原点に迫る

トヨタとKINTOによる挑戦、GRヤリス“モリゾウセレクション”。コンセプトとして掲げた「人」に寄り添ったクルマの進化とは何か。その原点にKINTOが迫った。

ただの「進化」ではない

21年6月、トヨタとKINTOがタッグを組んで発表した新商品、GRヤリス“モリゾウセレクション”。そこで商品コンセプトとして掲げたのが、「人に寄り添ったクルマの進化」だ。

GR YARIS “モリゾウセレクション” オンライン発表会

クルマの進化というコンセプト自体は決して珍しくない。技術革新が加速する中、メーカー各社の間では今、最新の技術をお客様にタイムリーにお届けするための開発競争が激しさを増している。こうした状況の中で、トヨタとKINTOがそこに人に寄り添ってとあえて名付けたのは、モリゾウセレクションの取り組みでさらに上のステージを目指していくことにほかならない。「人に寄り添ったクルマの進化」とは何か。それは、一言で言えば、レースの現場で起きているクルマの進化を原点としている。

「S耐」で大注目を集めたGRヤリス

レースの現場で起きているクルマの進化を語るうえで欠かせないのが、今回、モリゾウセレクションのベース車となっているGRヤリスだ。

写真1

GRヤリスは、20年ぶりのトヨタ純正のスポーツカーとして、20年9月に発売。その後、「モリゾウセレクション」のネーミングの由来であるモリゾウこと、豊田章男がみずからハンドルを握り、レーシングチームであるROOKIE Racingとともに、国内屈指の耐久レーススーパー耐久シリーズ(S耐)に参戦。初出場の富士24時間レースでデビューウィンを飾り、その後も好成績を重ね、シリーズチャンピオンも獲得し、大きな注目を集めた。さらに、21年に入ってからは、ROOKIE Racing以外のチームでもGRヤリスでのS耐参戦が相次ぎ、その活躍の場は広がっている。

GRヤリスのS耐での軌跡

レース現場で何が

では、GRヤリスはどうして短期間にこのような戦績を残すことができたのか。
その理由を説明するために、レース現場で何が起きているか、実例を紹介する。

CASE1 その場ですぐに!スピーディな対策
CASE2 ドライバー=人に合わせて絶妙に対策

アップデート=スピーディーな進化

GRヤリスがレースの現場で実践してきたこと、そのひとつ目はアップデートだ。
モリゾウやROOKIE Racingのドライバーたちの鋭敏な感覚から生まれるフィードバック、それにドライバーたちが走る際に収集する運転データをもとに、現場のエンジニアたちがGRヤリスをあらゆる角度から分析し、その結果をもとに改善。
こうした一連のサイクルを、レースが行われる2、3日というわずかな期間中に何度も何度も高速で繰り返すことで、GRヤリスをスピーディーに進化させてきた。

技術革新・開発スピードを加速

パーソナライズ=ドライバーに合わせた進化

スピードだけではない。
S耐では、最大24時間にも及ぶレースの最中に何度もドライバーを交代させて、走り続けることが求められる。
こうした中で、ドライバーたちがクルマをより的確かつ安全にコントロールできるようにすることが勝敗を分かつ重要なカギとなる。
そのために実践してきたのが、ドライバー一人ひとりにあわせて、クルマのセッティングを適宜細かく変更するパーソナライズだ。
これらアップデートパーソナライズ、すなわち、人に寄り添ったクルマの進化がGRヤリスのS耐での軌跡をつくりあげた。

写真3

レースを原点に広くお客様の思いに応えていく

GRヤリスがS耐で実践してきたこうした人に寄り添ったクルマの進化を、レースの世界にとどめず、広くお客様にお届けしようというのがトヨタとKINTOによるモリゾウセレクションでのチャレンジだ。
お客様=人にとことん寄り添い、その傾向や好みにあわせてクルマを進化させていく。
これを通じて、お客様の「クルマを意のままに操りたい」「安全に運転したい」といった思いに応え、クルマをもっと楽しんでもらうことができると考えている。
これまでにない新たな価値をお届けするためのトヨタとKINTOの挑戦は始まったばかりだ。

写真4

戻る