試乗記・レポート
SUBARUフォレスター(ハイブリッド&ターボ)試乗レビュー!上質で良好な乗り味/最新のSUBARU車らしい完成度と魅力を備えたクルマ
2025年4月に発売され、好調な販売状況が報じられているSUBARUのSUV「フォレスター」。ストロングハイブリッド仕様とターボ仕様をさまざまな道路環境で試す事ができました。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて2,000台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:25年6月
≪YouTubeにて関連動画を公開中≫
今回の記事の内容は下記動画にて公開中です。合わせてご覧ください
SUBARUフォレスター Premium S:HEV EX / SPORT EX 試乗概要
スクエアで立派に見える外観スタイル。SUVの本流的なデザイン
「立派になり、SUVのセンターをいくようなスタイルになった…」それが新型フォレスターを初めて見たときの率直な印象でした。サイズ的には先代モデルからわずかにアップした程度ですが、実際に見ると、より大きく立派な印象を受けました。
スタイリングについても、スクエアに近いディメンジョンや堂々としたグリルなどのデザイン処理によって、まさにSUVの王道をいくような存在感がありました。日本の路でも扱いやすいサイズでありながら、本格派SUVの風格も漂うグッドデザインだと思います。
全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | |
---|---|---|---|---|
新型フォレスター | 4,655mm | 1,830mm | 1,730mm | 2,670mm |
先代フォレスター(※) | 4,640mm | 1,815mm | 1,715mm | 2,670mm |
※アーバンセレクション、2024年7月発売
機能的で視認性・操作性に優れたインテリア

内装の基本デザインは、レヴォーグやクロストレックなど、他のスバル車と共通しています(ドアトリムや細部処理には違いがありますが)。計器類の視認性や操作系の使いやすさも含めて、機能的でよくまとまっていると感じました。
フル液晶メーターや大型センターディスプレイに表示される情報は、運転者にとって分かりやすく、ステアリングやシフトレバーはもちろん、各種スイッチ類も整理されており、試乗中は運転操作に気を遣う必要がない快適さと安心感があると思いました。

最近の車はどれも視認性や操作性に配慮された設計がされていますが、中でもスバル車の運転操作に関わる視認系・操作系はとても見やすく、扱いやすいと感じます。
また、全高1,730mm・最低地上高220mmという高めの車高を活かした高い視点は、周辺視界の良さや運転のしやすさにつながっており、車両サイズが全長4,655mm・全幅1,830mm・全高1,730mmと適度であることも相まって、街中走行を含めて「とても運転し易いSUV」という印象を受けました。
上質な走りのストロングハイブリッド。スポーティな走りのターボ
今回はさまざまな路でS:HEV(ストロングハイブリッド)版とターボ版を連続して試乗することができ、それぞれの走り味の違いがとても興味深く感じられました。どちらも基本的に上質で、質感ある走り味を楽しめましたが、異なるパワートレーンによる味付けの違いが上手くセグメントされている印象を受けました。
2.5Lハイブリッド版(Premium S:HEV EX)は、モーターのサポートによる静かさとスムーズさが際立ち、終始上質な走り味を体感できました。エンジンとモーターの協調による加速やクルージング、さらにはブレーキング時のフィーリングに至るまで、1〜2クラス上の車に乗っているかのような感覚がありました。

一方、1.8Lターボ版(SPORT EX)は、内燃機関らしい加速感とエンジンサウンドが魅力で、リニアトロニック(スバル式CVT)による段付き加速感制御と相まって、とてもスポーティな走りを体感することができました。同じ車なのに、より軽快でスポーティな走り味を感じさせてくれる…(乗り心地も含めて)上手く仕立てられている印象を受けました。

初期受注ではハイブリッド版に人気が集まっているそうですが、ターボ版には、スポーティさとスバル好きが好きそうな走り味があり、ハイブリッド版とは異なる魅力があると思いました。ストロングハイブリッド・ターボともに魅力あるものに仕立てられていると思いました。
良好な乗り心地。ハイブリッド版とターボ版で異なる味付け
乗り心地についても、基本的には上質さを感じさせるもので、柔軟でフラットな乗り味が印象的でした。コーナリングでの足さばきは「しっかり」という好ましいキャラクターだと感じました。
ホイールストロークが十分に確保され、足回りが柔軟に動いていることにより、路面の凸凹や不整路においても、基本的にはスムーズに乗り越えることができました。また、コーナリング時も不要なロールを感じることなく、しっかりと路面を捉えて走行している感覚があり、足回りのセッティングの完成度には感心させられました。
加えて、乗り心地や乗り味においても、ハイブリッド版とターボ版では異なる味付けにチューニングされており、「上質さのハイブリッド」「スポーティさ・軽快さのターボ」という感じで、上手く差別化されていると思いました。
SPORTのグレード名称を持つターボ版については、少し硬めの反応が返ってくる印象で、車両の前後左右の動きをより抑制するような味付けに仕立てられているように感じました。

手応えのあるステアリングフィール。四輪駆動らしい安定感・加速感
新型フォレスターは、その動的質感の良さも印象的でした。
特に低速域におけるステアリングの手応えは重めに設定されており、ステアリングをしっかり回している実感が得られます。それが直進時や旋回時の重厚でドッシリとした走り味につながっていると思いました。
さらに、加速時やコーナリング時には四輪駆動ならではの安定感と加速感が得られ、高速道、一般道ともに余裕をもって試乗を楽しめました。
適度なサイズ感・良好な視界・車との一体感と合わせて、動的質感の良さが「運転のしやすさ」につながっていると感じました。
SUBARUフォレスター Premium S:HEV EX / SPORT EXまとめ
「いいクルマだなあ」と思わせる商品。魅力的なSUV
- 外観スタイル、パワートレーン、走り味・乗り味の味付け等、力の入ったクルマ
- 性能・走り味・乗り味的にも、様々なユースに向きそうな一台に仕上がっている
ハイブリッド版とターボ版で異なる走り味・乗り味
- ハイブリッド版の走り味の上質さ、ターボ版のスポーティさが印象的
- 走り味だけでなく、乗り心地や乗り味もクルマの意図通り違っている

総合評価
- 期待値を上回ったか?
◎(ハイブリッド)・〇+(ターボ)(全体の乗り味P:HEVの上質感、ターボのスポーティさ等で期待値越え)
- また乗りたいか?
○+(この完成度をより厳しいコンディションで試してみたい)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を… | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
試乗車:スバル フォレスター Premium S:HEV EX / SPORT EX
車両価格:¥4,598,000 / ¥4,191,000
主要諸元:
全長x全幅x全高・WB・車重:4,655mmx1,830mmx1,730mm・2,670mm・1750kg(Premium S:HEV EX)/1640kg(SPORT EX)、サスペンション前/後:ストラット/ダブルウイッシュボーン、タイヤ:235/50R19(S:HEV)、225/55R18(ターボ)
- 2.5直噴エンジン(S:HEV):160PS/5600rpm、209Nm/4000-4400rpm+駆動用モーター119.6PS、270Nm+リニアトロニック、四輪駆動、WLTC燃費18.4km/L
- 1.8L直噴ターボ:177PS/5200-5600rpm、300Nm/1600-3600rpm、リニアトロニック、四輪駆動、WLTC燃費13.6km/L
試乗概要:名古屋スバル万場店~高速&一般道試乗約140km走行
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください

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