試乗記・レポート
SUBARU クロストレック Premium S:HEV EX試乗レビュー!〔高速・郊外走行編〕 真面目なクルマづくりを実感させるハイブリッドSUV 色々な面で“分かり易さ”が加われば更に魅力的
新たにストロングハイブリッドが追加されたSUBARUの小型SUV、クロストレック。年末に市街地で試乗しましたが、今回、高速道路と郊外走行を含んで試乗できましたので、その感想と走り味等をレポートします。
クルマ大好き元トヨタの企画マン、公私合わせて2,000台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、特徴を分解し印象・感想をレポートしてみたいと思います。KINTOのYouTubeチャンネルにも出演中!
※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:25年1月
≪YouTubeにて関連動画を公開中≫
今回の記事の内容は下記動画にて公開中です。合わせてご覧ください。
SUBARU クロストレック Premium S:HEV EX 試乗概要
Cセグメント・ハッチバックをベースにSUVらしさをプラスした外観スタイル
ベース車インプレッサを60mm高くして様々な外装パーツでクロスオーバーSUV らしさを醸し出しているクロストレック。先代(日本名XV)のキープコンセプトですが、インプレッサのクロスオーバーSUV版であることが一目でわかる外観スタイルだと思いました。
また外観の特徴として、フェンダーアーチモールやバンパーなど各部に黒色のアクセントが配置され、スポーティさも程よく訴求されており、「スポーティなクロスオーバー・ハッチバックSUV」というイメージとメッセージがうまくスタイリングに具現化されているように感じました。

機能的で視認性・操作性に優れたインテリア
内装の基本デザインは、レヴォーグやインプレッサ等、SUBARU車共通のものですが、計器類の視認性・操作系の操作性など、機能的でよくまとまっていると感じました。
フル液晶メーター・大型センターディスプレイに表示される情報は、運転者にとって分かり易いものと思いましたし、ステアリングとシフトレバーはもちろん、他のスイッチ類などに関しても、うまく整理されており、試乗中「運転操作に気を遣う必要がないラクさと安心感」があると思いました。
今どきのクルマはどれもよく考えられた視認系・操作系を備えているものですが、中でもSUBARU車の運転操作に関わる視認系・操作系はとても見易く扱い易いものという感じがします。
また、ベース車より60mm高められた車高を活かした“高い視点”は周辺視界の良さと運転のし易さにつながるとともに、新鮮な運転感覚の要因にもなっており、車両サイズが適度な事(全長4480mm・全幅1800mm・全高1575mm)も相俟って、「街中を含めて、とても運転し易いクルマ」という印象を受けました。


充分以上のパワーと低燃費を両立させたパワートレーン
S:HEV(ストロングハイブリッド)は、トヨタ式のハイブリッドシステムをSUBARU独自の水平対向エンジン+4輪駆動に組合せたものですが、その走りや燃費レベルは充分以上と表現できるものでした。
今回は、高速道路、ワインディング路、市街地と様々な路を118km試乗したのですが、発進加速や追越加速等、どんな局面でも必要充分以上のパワーで走らせることができ、余裕を感じる動力性能と思いました。
燃費レベルについても総平均17.3km/L、燃費走行20.9km/Lと、ワンタンク1,000km走行と言える値が計測でき、「低燃費・脚の長いSUBARU車」と呼べるクルマになっていると感じました。

どんな路面もそつなくこなす乗心地。低重心感・4駆感ある独自の走り味
乗心地や乗り味面でのクロストレックの印象は「自然な感じ」で、どんな路面もそつなくこなすものと感じました。
自分の好みは「もう少し柔軟でしなやか」な乗心地ですが、路面の凸凹・不整に出会っても、破綻なく大きな音や衝撃を伝えることはなく、基本的にスムーズな乗心地と言えました。
走り味に関しては、ワインディング路等で低重心感と4輪駆動感があり、SUBARUらしさと安定した余裕が感じられました。この辺りが、このストロングハイブリッド版クロストレックの走り味面の特徴と訴求ポイントなのだろうな…と思いました。(但し、その違いは強く感じ取れるものとは言い難く、もう少し分かり易いものになっていると更に良いのに…とも感じました)

安全関連・ADASや寒冷地装備が充実した仕様内容
乗ってみて、「安全・ADAS(先進運転支援システム)関連の充実度」と「雪国で強いSUBARU」を強く感じました。
アイサイト(X)で周辺を監視しながら走行支援されている実感があり、例えばごく普通に走行していてもレーン逸脱や周辺状況から必要なリアクションが返ってきて、「安全のSUBARUに乗っている」という感覚は強く印象付けられました。
また、標準装備のシートヒーターやステアリングヒーター等、寒冷地装備の充実した仕様内容になっており、とても寒い試乗日でも大変快適に過ごすことができ、これも強く印象付けられました。
SUBARU クロストレック Premium S:HEV EX まとめ
バランスよくまとまった小型SUV
- Cセグメント・ハッチバックベースに上手く造ったSUV
- パッケージ・動力性能・燃費性能・乗心地・仕様装備等、バランスが良い
トヨタのシステムを上手く独自のパワトレ・駆動系に組合せたハイブリッドシステム
- トヨタのハイブリッド車+SUBARUのパワトレ・駆動系による独自の走り味
- ホンダ・日産等のハイブリッドとも違うフィーリング・走り味
全体に真面目なクルマづくりを感じさせる一台
- クルマづくり全体もハイブリッド化も、とても真面目に取り組まれた感が伝わる
- ただし商品魅力として伝わりやすいとは言い難く、独自の商品性が“能ある鷹は爪を隠す”様になっている感があり、勿体ない感じもする

総合評価
- 期待値を上回ったか?
〇+(走りと燃費の好バランス、低重心感・4駆感、扱い易さ等で期待値越え)
- また乗りたいか?
〇+(ウェット路面や条件の悪い路での走り・走り味を試してみたい)
※評価基準と評価マークの意味
項目/マーク | ◎ | 〇+ | 〇 | 〇- | △ |
---|---|---|---|---|---|
期待値を・・・ | 大きく上回る | 上回る | まあ上回る | 上回る部分もあるが・・・ | 下回る |
また乗りたいか | とても乗りたい | 乗りたい | まあ乗りたい | 乗りたい面もあるが・・・ | あまり乗りたくない |
今回試乗したクルマはこちら!
〔試乗車〕:SUBARU クロストレック Premium S:HEV EX
〔車両価格〕:4,053,500円(税込) (ルーフレールはメーカーOPT)
全長x全幅x全高・WB・車重:4,480mmx1,800mmx1,575mm・2,670mm・1,660kg、2.5L直噴エンジン:160PS/5,600rpm、209Nm/4,000-4,400rpm+駆動用モーター119.6PS、270Nm+リニアトロニック、4輪駆動、WLTC燃費18.9km/L、サスペンション前/後:ストラット/ダブルウイッシュボーン、タイヤ:225/55R18
〔試乗概要〕
名古屋スバル中川四女子店試乗車。
名古屋市内⇒名古屋高速⇒グリーンロード⇒東海環状⇒鞍ヶ池公園⇒豊田市内⇒伊勢湾岸⇒名古屋高速の約118km走行 (平均燃費17.3km/L~20.9km/L)
※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください

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