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ど理系ピザ職人のキッチンカーは元放送中継車!“美味しい”を届ける移動販売の裏側を見せてもらおう

ど理系ピザ職人のキッチンカーは元放送中継車!“美味しい”を届ける移動販売の裏側を見せてもらおう

なんだか最近、街角でキッチンカーを目にする機会が増えています。オフィス街や繁華街の道ばたで、お昼時ともなれば、あちこちから美味しそうな香りが漂ってくるーー。香りにつられて、ついつい「なにが食べられるの?」とキッチンカーをのぞいてしまった経験をお持ちの方も多いはず。

そして料理と同じく気になるのは、そのクルマ。「キッチンカーっていうくらいだから、もちろんキッチンが載ったクルマなんだろうけど、その中身や仕事っぷりってどんな感じなの?」と、舞台裏への興味もムクムクと湧き上がります。なんてことを考えていたところ、どうやら沖縄県にちょっと(いや、だいぶ)変わったクルマをキッチンカーにしてしまったお店があるとの噂を聞きつけたのです。そのクルマ、ぜひ見せてください!キッチンカーという「美味しさを届ける移動」の裏側をぜひご覧あれ。

<この記事の目次>

  1. 沖縄を駆け巡る、移動ピザ屋さんの正体は、“元放送中継車”
  2. -「具材は端まで!」冷めても美味しいピザづくりの秘密
  3. 元エンジニアのピザ職人、固定店舗をクローズしオリジナルピザ窯を武器にキッチンカーに集中
  4. 「どこで営業するか」キッチンカー営業の定番の課題と堀井さんはどう向き合った?
  5. 誰にだって来ていただける。自分の味を楽しんでもらえる。それがハッピークルーズの“移動の喜び”

沖縄を駆け巡る、移動ピザ屋さんの正体は、“元放送中継車”

訪れたのは、沖縄県各地で本格ピザを提供している「 ハッピークルーズ」さん。その日の営業場所である、とあるスーパーの駐車場に向かうと……、

ハッピークルーズのキッチンカー全景

ハッピークルーズを切り盛りするのは堀井夫妻。ピザづくりを担当する秀樹さんと接客を担当するのが典子さん。

大きなクルマがどーん。車体後部になにやら見慣れないドアが備わっていますが、このクルマは一体?

このクルマはね、元々は放送中継車。テレビの生放送なんかの現場で使用されているのを見たことがあるかもしれませんが、それを自分で改造して、移動ピザ屋さんにしたんです。本格的なピザ窯を2台載せていて、焼きたてのピザをお客さまに提供できます。ぜひキッチンも見てみてください。

ハッピークルーズのキッチンカー内部

車体側面が調理台です。両側面に調理台があるので、クルマを停める方向にかかわらず、お客さまの方を向いて調理できます。冷蔵庫は大理石の調理台の下に置いています。

ハッピークルーズのキッチンカー改造前

こちらがキッチンカーになる前の状態のクルマ。内部(右写真)にはサーバーなど放送用機材を置くためのラックでいっぱい。

そして、奥にあるのが僕が開発した自慢の「トリプル遠赤外線ピザ窯」です。

ハッピークルーズのトリプル遠赤外線ピザ窯

企業秘密なのであまり詳しくは言えないのですが、2種のヒーターと窯のふく射熱の3種の熱で加熱することで、外側はカリッと香ばしく、中はふっくらとした美味しいナポリスタイルのビザが焼けるんです。温度は500℃まで上がるので、薪の石窯と同様のパフォーマンスです。薪窯は薪の位置や性質に影響されて、焼きムラができたりしてしまい、取り扱いには神経を使うものですが、この窯なら常に安定して美味しいピザが焼けます。ナポリピザは焼きたてが一番美味しいので、「焼きたて」にはこだわっています。この設備があれば、どこでも焼きたてを提供できるんです。

「僕が開発した……」という気になる部分は後でお伺いするとして、その他のキッチン設備はというと……、

ハッピークルーズの給排水設備

給水・排水ともに200Lの容量を確保しています。窯の隣のタンクは給水用(100L分)で、灯油なんかの備蓄タンクを流用しています。ホームセンターで買ったものですよ(笑)。排水用のタンク(緑のタンク)は容量100L×1、50L×2の3つを使っています。

シンクはきっちり3層式

そして、こちらがシンク。手洗い、消毒、食器洗いなど用途ごとに分けて3層のシンクにしています。蛇口はレバー式にしています。これなら手を使わなくても、腕で水を出したり止めたりができますから※。

※食品衛生法の改正によって、2021年6月、キッチンカーが備えるべき給排水タンクの容量や、非接触式水道(センサータイプやレバータイプなど、手を使わなくとも蛇口を操作できるもの)の導入など、設備基準を含む営業許可取得のためのさまざまな決まりが刷新された。ハッピークルーズのキッチンカーの場合、「200l」という最も大きな区分の営業許可を取得している。

と、ここまでならば、大きいクルマならばどれでも実現できそうな設備ですが、元放送中継車ならではの装備が、堀井さんのピザづくりをサポートしてくれるのだとか。

僕が放送中継車を選んだのは、クルマに発電機が積んであるからです。

ハッピークルーズのキッチンカー操作パネル

キッチンカーには似つかわしくないコントロールパネルを堀井さんが操作すると……、

ハッピークルーズのキッチンカーの発電機

車体後部に備わる発電機がブーンと動き出す。

しかも、その発電量がハンパじゃないです。先ほど紹介したピザ窯はかなりの電力が必要なのですが、窯を2台動かしてもまったく問題ないどころか、もう何台か動かせる出力があります。しかも、発電機は収納スペースに収まっているので静か。ポータブル発電機だと結構音を発するものがあるので、営業場所の近所の方にご迷惑でないかと気になるのですが、これならあまりご迷惑をかけずに営業できます。そしてこの電力があるからこそ、空調も強力です。

ハッピークルーズのキッチンカー空調設備

中継車が元々備えていた空調設備。試しに動かしてもらうと、ものの数分で車内は非常に涼しくなる

元々、中継用のサーバーなんかを冷却する必要があるので、かなり強力な空調が備わっていたんです。そして実は、ピザづくりは室温がとても重要です。室温が高いと生地の発酵が進んでしまい、美味しいビザがつくれなくなってしまうんですね。その点、この空調があると真夏でも20℃に室温を保てるので、生地をベストな状態で置いておける。

電力、そして空調。このふたつの要素が、僕にとってのピザづくりにぴったりだったんです。放送中継車をキッチンカーにしようとはじめから考えていたわけではないですが、調べれば調べるほど「このクルマいいねー!」と。普通に中古車情報サイトで見つけたんですよ(笑)。

「具材は端まで!」冷めても美味しいピザづくりの秘密

クルマをじっくり見せていただいたら、気になるのはもちろんピザの味。「せっかくなので、ぜひ食べてみてください」という堀井さんのご厚意を断る理由なんてどこにもない。お願いしたのは、お店の看板メニューの「マルゲリータ オリジナルスタイル」です。移動販売を前提に、堀井さん独自に生み出したピザづくりのプロセスをじっくり見せていただきます。

ハッピークルーズのピザ生地

見るからにもちっとした生地を取り出し、

ピザ生地をのばす堀井さん

丁寧に生地を広げ、

ピザ生地にトマトソースをかける堀井さん

トマトソースをまんべんなく塗っていく。なんかソースを塗る範囲が広いような……?その秘密は後ほど。

ピザに具材をのせる堀井さん

モッツァレラチーズ、バジルをオン。具材を置く範囲がなんだか広いかも。その後、さらに、別のチーズをトッピング。一般的なマルゲリータでは、のせるのはモッツァレラチーズだけなのでは?

ピザを窯に入れる堀井さん

具材をのせ、形を整えたら自慢の窯にシュッと勢いよく投入。焼き上がりまで1分ほど待つ。

ハッピークルーズのオリジナルスタイルマルゲリータ

「マルゲリータ オリジナルスタイル」のできあがりです。上の写真で全て伝わるようにも思いますが、トロトロのチーズのコクと、トマトソースの酸味、そしてこだわりの生地が一体となり、一口頬張れば「ああ……」と声が漏れます。とくに印象的なのは、もちもちとした生地の食感です。キッチンカーでつくった、という事実を忘れてしまう味わいです。

気に入ってもらえてよかったです。小麦粉はイタリアのカプート社のものを使用しています。僕たちはもともと読谷で固定店舗をやっていたのですが、そこで使っていたのも、ご覧いただいた窯です。つまり、キッチンカーでもお店の味をお届けできる。お客さまにも「これほんとにキッチンカーでつくったの?」なんて感想をいただけて、とても嬉しいですね。

ただ、キッチンカーで出しているピザは固定店舗で提供していたものとは違う工夫がある、と堀井さんは教えてくれます。さっきのピザづくりにも、テイクアウトのための秘密がそこかしこに。

お店で出していたピザとは、少しレシピが違うんです。焼きたてをすぐに食べていただくのが理想ですけど、テイクアウトして家で召し上がることを考えると、「冷えても美味しい」ピザでなくてはならないですからね。ですが、ピザってどうしても冷めると固くなってしまいがちです。だから、ソースや具材をできるだけ端まで置くんです。ソースや具材がラップ代わりになり、固くなりにくくなるというわけです。それに、生地は、お店で出していたものとは粉の配合を変えていますし、伸ばし方も工夫しています。

それに、最後にチーズを1種追加しましたが、これも「冷えても美味しい」のための工夫です。モッツァレラチーズ、トマトソース、バジル、オリーブオイルというナポリスタイルのピザの味つけだと、冷めると味わいが弱くなってしまいます。だから、チーズを1種少しだけ足して、冷めてもコクが感じられるようにしているんです。もちろん、ナポリスタイルのマルゲリータも提供しています。焼きたてを召し上がれる状況であれば、ぜひ試していただきたいメニューです。

ハッピークルーズのナポリスタイルのマルゲリータ

「せっかくなので」と、ナポリスタイルのマルゲリータも焼いてくれました。先ほどのオリジナルスタイルと比べると、たしかにソースや具材の範囲は中央に寄っている印象です。一口いただくと、表面はカリッと、中はもっちもちという生地の食感が楽しめます。「ナポリスタイルのピザの美味しさは生地の美味しさでもあるんです」と堀井さん。

ハッピークルーズさんのキッチンカーではマルゲリータを含む5種のピザをメニューに加えています。固定店舗ではもっとたくさんの種類のピザを出していたといいます。

キッチンカーではあえてメニューをかなりしぼりました。食材の管理もしやすくなりますし、よりスピーディに提供できるようになりますから。いまあるメニューのなかでも、オススメはやはりマルゲリータです。お店の味の基本を楽しんでいただきたいですし、人気があるメニューですからね。それに、マルゲリータは具材がシンプルな分、早くつくれるので、お客さまをお待たせしないうえに、お店にとってもご注文をさばきやすい嬉しいメニューなんです。だから、というわけではないですが、お客さまが頼みやすいよう、マルゲリータは低めの価格設定で頑張っています。

ハッピークルーズのメニュー

ハッピークルーズのメニューはこちらの5種。許されるなら全部食べたい。

私もお客さまにオススメを聞かれると、ついマルゲリータをイチオシにしてしまいます(笑)。かといって、気を遣ってマルゲリータを頼む必要はありませんよ。皆さんが食べたいものをオーダーしてほしいです。

元エンジニアのピザ職人、固定店舗をクローズしオリジナルピザ窯を武器にキッチンカーに集中

さて、堀井さんのお話を聞いていると、ピザ職人さんがなぜ、オリジナルピザ窯を独自開発し、放送中継車の改造を行ったのか、疑問が湧いてきます。堀井さんは笑いながらいいます。

僕は元々、関東でエンジニアをやっていたんですよ。高専を卒業以降、30年以上ハード/ソフトウェアの開発をしていました。産業用ロボット開発から、大手商業施設のサーバー管理までいろいろやりましたね。けれど、2011年の東日本大震災を目の当たりにして、もっと落ち着いた環境で生活したいと思って、思い切って仕事を辞めて妻の親族の縁がある沖縄に家族で移住したんです。移住当初はエンジニアの仕事をしようと思っていたのですが、沖縄には全然仕事が見つからない。「じゃあ、お店でもやろうかなー」くらいの気持ちで飲食業界に入ったんです。いまから10年近く前、50歳くらいのときです。まあ、思いつきですね(笑)。

私もとくに止めなかったです(笑)。当時家を探していたのですが、たまたま海の見える物件が見つかって、これなら素敵なお店になりそうだなと思ったんです。なにか縁を感じたのかもしれませんね。

ハッピークルーズの固定店舗の様子

こちらがハッピークルーズの固定店舗。気持ちの良いオーシャンビューが楽しめるのが自慢だったそうだ。

ただ、ピザづくりは本当に手探りでした。先生はインターネットだけ(笑)。いろいろな動画や資料を検索したり、うちの店で働いてくれていたシェフに試食してもらったり、ああでもないこうでもないを繰り返して、徐々に身に付けていったんです。

実は固定店舗と並行して、かなり早い段階から移動販売に着手していたんです。まだ子どもが小さく、固定店舗を夜ずっと営業するのが難しかったので、ちょっとした時間でも稼働できる営業形態を模索した結果です。当時使っていたのは日産のアトラスロコというクルマです。「焼きたて」にはこだわりたかったので、ピザ窯を載せて、デリバリー先のお客さまの家の目の前でピザを焼いてお届けするというわけです。

ハッピークルーズの初代キッチンカー

ハッピークルーズの初代キッチンカー。電気窯を動かすためにバッテリーを10台積んでいたといいます。

当時、堀井さんは固定店舗では薪の石窯、デリバリーでは既製品の電気式の窯を使っていたそうですが、それぞれの窯に課題を感じていたのだそう。

ピザづくりを研究するなかで、美味しいピザを焼くには良い窯が不可欠だということに気付いたんです。

ハッピークルーズの薪窯

右に見えるのが固定店舗で使っていた薪窯。その後、オリジナルの電気式の窯を使うようになったとか

さっきもお伝えしたとおり、薪の窯はとても美味しいピザができるけど、取り扱いが難しいんです。常に火の番をしなければならないし、焼き加減を安定させるのも大変。一方の電気式の窯は薪窯とは焼き加減がちょっと違うし、1枚焼くと、数分休ませなければならない、つまり連続して使えないという弱点があったんです。薪窯のようなパフォーマンスを発揮して、連続して使える電気窯もあるにはあるのですが、とても高価だったんです。なんとかできないか、と考えていたら、「自分でつくればいい。つくれそうだ」とひらめいた(笑)。

そこからは、自宅でひたすら実験です。いろんな部品をホームセンターで揃えてきて、組み立ててはピザを焼き、の繰り返しです。苦労したのはヒーター(こたつの発熱部分に似た、熱源となるパーツ)です。なかなか薪窯のような焼き加減にならず、いろいろなヒーターを試しました。試行錯誤の末、複数種類のヒーターを特定の配置にすることで、ようやく納得のいく焼き加減が実現できたんです。

オリジナルの窯でピザを焼く堀井さん

元エンジニアらしい発想……と口にするのは簡単ですが、驚くのは堀井さんのDIY精神。いま使っている窯も大部分は堀井さん自身の手でつくっています。

外部の金属パーツは注文して加工してもらっていますが、他はほとんど手作りです。部品もほとんどホームセンターで買ったものです。取っ手の部分は、家屋の内装に使う手すりだったかな(笑)。ヒーターはさすがにホームセンターには売ってなかったのですが、ネットで探して買いました(笑)。オリジナルの電気窯が完成したのは、いまから5年ほど前です。それからは移動販売だけでなく、固定店舗の窯も薪窯から切り替えました。自作の窯なので、工夫次第でいろいろと機能を拡張できるのも魅力ですね。いまはスマホアプリから電源のオンオフができますし、オンオフの時間予約もできるようにしました。これなら地球の裏側にいて窯を起動できます(笑)。

スマホで窯を操作する堀井さん

窯を遠隔操作するアプリ画面。Webカメラを設置して窯の様子を映像で確認もしているそう。このハック思考、頭が下がります……。

「どこで営業するか」キッチンカー営業の定番の課題と堀井さんはどう向き合った?

オリジナルの窯とともに、固定店舗と移動販売の二刀流を続けていたそうですが、いまは固定店舗はクローズし、移動販売に集中しているといいます。その理由はコロナ禍にあったと堀井さんは続けます。

コロナ禍の影響はかなり早い段階、2020年の1月頃から懸念していました。当時はまだあまり情報がなかったのですが、このまま固定店舗で営業していくのは難しいかもしれない、と考えていて、移動販売に専念する道を模索していました。ただ、問題は「どこで売るか」です。キッチンカーは営業場所の確保がとても大変なんです。

また、場所が見つかったとしても、キッチンカーを同じ場所でずっと営業していくのは難しいことも体験的に知っていました。とくにウチはピザ専門店です。パスタやお酒といった他のメニューを提供していないので、商圏のお客さまにつねに新鮮味を提供できる業態ではないので、定期的に移動する必要があったんです。

SNSを通じた営業場所の告知は欠かさない。

移動する必要がある、といっても、営業場所を都度探すのはとても大変な作業です。堀井さんは、沖縄県内に多くの店舗を出店する大手スーパーの敷地で営業する道を模索したといいます。

縁あって、ある大手スーパーチェーンの駐車場で営業できることになりました。このチェーンだけで50店以上あるので、営業場所には困りません。僕と妻の2人でやってる小さなキッチンカーにとっては、回りきれないほどの規模です(笑)。他にはイベントなんかに出店することもあります。沖縄にはキッチンカーの組合というか、コミュニティがあるので、そこでイベントの情報をもらい、新しい営業場所を確保しています。定期的に移動していても、新規/既存のお客さまの比率は固定店舗時代からあまり変わらないような印象があります。

そうですね。移動するといっても、毎週大きく離れるわけではないので、意外と馴染みのお客さまも足を伸ばして来てくださるんですよ。新規のお客さまにも、せっかくだったら馴染みになっていただきたいので、お客さまのお顔や好みはできるだけ覚えておくように努めています。私の接客も固定店舗のころとあまり変わっていないかもしれませんね。

ハッピークルーズ堀井典子さん

取材中も馴染みのお客さまが訪れる。接客する典子さんも実に楽しそう

誰にだって来ていただける。自分の味を楽しんでもらえる。それがハッピークルーズの“移動の喜び”

堀井さんご夫婦を見ていると、キッチンカーといういまの営業スタイルをとても楽しんでいるように感じます。そして、ハッピークルーズの味を沖縄の人々も楽しんでいるそう。

準備した分は完売、という営業日が続いています。ウチの味で喜んでくださるのは本当に嬉しいですよね。キッチンカーのいいところは、どんなお客さまにもきていただけることだと思います。固定店舗の場合、お店の作りや雰囲気によってカップルのお客さまが多い、ファミリーの方が多い、のように、どうしても客層が固定されてきます。移動販売であれば、どんなお客さまでも、気になったら足を運びやすいと思います。

僕は自信を持って自分のピザを提供しています。年齢や雰囲気もさまざまなお客さまに「これほんとにクルマの中でつくったピザなの?」と驚き、喜んでいただけるのが、僕にとっての移動販売の喜びといえるかもしれませんね。

ハッピークルーズ堀井秀樹さん

いまのクルマは夫婦ともにとても気に入っています。この間も中古車サイトに1台情報が上がっていて、「もう1台買っちゃおうか」なんて2人で話していたところなんです(笑)。

天気の影響を受けやすいのが移動販売やキッチンカーのデメリットかもしれません。しかし、大きなオーニング(ひさし)のついている放送中継車なら、そのデメリットもある程度は克服できるようになったと感じています。あとはクルマの中で生地の仕込みができるようにするのが課題ですね。いまは営業後、自宅で生地を仕込んでいるんですけど、クルマの中で手が空いたタイミングでできれば、毎日の作業が少しラクになりますから。

そうすればもう少し早く寝られるようになるかもね(笑)。

編集:はてな編集部

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