試乗記・レポート

トヨタ カローラツーリング・ハイブリッドを試乗!「ちょうど良い」クルマ、カローラは「非凡たる基準商品」

トヨタ カローラツーリング・ハイブリッドを試乗!「ちょうど良い」クルマ、カローラは「非凡たる基準商品」

広島での業務、TSタカタサーキットへの往復には、レンタカーのカローラツーリング・ハイブリッドを選択しました。約140km走行してみた印象と、それを通じて考えた「量販車カローラの存在意義」をレポートしてみたいと思います。

クルマ大好き、元トヨタの企画マンで、公私合わせて1,800台以上のクルマを試乗してきた試乗のプロフェッショナル、ハマやんの視点から、「カローラツーリング・ハイブリッド」の特徴を分解し、その魅力を探るレポートです。

※試乗実施時期の情報をベースにしており、最新の新車販売グレードにはない情報が含まれる場合もあります。最新の情報については各公式サイトでご確認ください。
試乗実施時期:2022年4月

カローラツーリング・ハイブリッド試乗概要

サイズ感・パッケージング:ちょうど良いサイズ感。大きすぎず・小さすぎず・扱いやすいクルマ

新幹線の駅近くでレンタカーを借りると、多くの場合、狭めで交通量が比較的多い道から走り始めることになり、気を遣います。今回も広島駅北側のちょっと狭い道から走り始めたのですが、このカローラの場合は、ヤリスやアクアより大きなサイズなのに、狭い道でも、視界良く、取り回しがよいので、さほど気遣わず走り出すことができました。また、次第に広く車線の多い道に出て、周囲に大きなクルマが増えてきても、相対的な小サイズ感はなく、日本の使用環境に合ったクルマだなあ・・・と感じました。
 
カローラの大きな特徴の一つは、そのサイズ・パッケージングにあると思います。
クルマのサイズは、道路環境・駐車環境といった外的要因や、乗員のサイズ・搭載荷物サイズ・積むパワトレや機構部分のサイズといった内部要因など、様々な要素で決まってくるものですが、カローラは、それらの数多い要因を満遍なく&うまく拾ってそのサイズを決めているのではないか? そんな風に感じさせる「絶妙のサイズ感」=(大きすぎず、狭すぎず、大抵の用途はこなせるサイズ感)があると思います。

今回、改めて乗ってみたカローラツーリングには、「運転し易い・乗りやすい」との感想を持ったのですが、それは、視界や運転操作に依るものであるとともに、「絶妙のサイズ感」が大きな理由だと感じました。

燃費:燃費良好(プリウス程ではないが)

カローラ・ハイブリッドのパワートレーンは、プリウスと同じ1.8Lエンジン+電気モーターによるハイブリッドですが、今回走行では往路62.5km走行で24.9km/L、復路61.1km走行で29.4km/Lと、プリウスのようなリッター30km越えまではいきませんでしたが、安定して良い数字を出すことができ、このサイズのクルマとしては「燃費良好」と表現してもよいレベルと感じました。

乗り味(街中・郊外):街中・郊外路での乗り味が良い

現行カローラで私が気にいっている点の一つはその「乗り味」。今回のレンタカー走行以前には、昨年のクルマ選びの際、5回乗りましたが、いつも「フラットでスムースな乗心地(による乗り味)」に感心させられていました。
 
今回のレンタカーでも同様、お店から乗り出した瞬間、「やっぱり乗心地良いなあ」と感じましたし、その乗心地の良さは、市街地走行や郊外路では特に感じられるものと思いました。

乗り味(高速):高速道路で悪くはないが・・・

「フラットでスムースな乗心地」は、高速道路走行でも基本的に同じで、リラックスして余裕持っての走行に寄与していたと思います。高速道路走行での印象は、そういう意味で「悪くはない」のですが、ただ一点、「ロードノイズが路面によっては顕著に聞こえてくる」のが気になりました。
 
装着タイヤによるものかもしれませんが、街中~郊外路での乗り味印象が良いだけに、「高速道路でのロードノイズがもう少し軽減されたら良いのに・・・」と思ってしまいました。

ADAS(先進運転支援システム):ADASはラクで安心、制御も良い感じ

ADAS(先進運転支援システム)は、今や全ての車種クラスで当たり前のものとなっていますが、このカローラにも装着されています。衝突回避を試すことはできませんが、通常走行ですぐ使えるADASは、レーダークルーズとレーンキープアシスト。空いた中国道でずっと使って走ることができました。
 
「ADASラクでいいわ。今のクルマはホントに進歩しているなあ・・・」と、思わず口にしてしまうほど、高速走行時の余裕が違ってきます。
 
特にこのカローラでは、レーダークルーズ・レーンキープの制御が良い感じで、例えば高速道路走行中、前に車が入ったり出たりして追従車間距離が変わった際の、加減速の感じが運転者の感覚に合うことや、レーンキープも変な操舵が入る事もなく、運転者の「操舵する」気持ちを読んで(いるかの如く)操舵するなど、この辺りは車によってまだ差が大きい点なので、よく制御できたADASだと感じられました。

内外装・仕様装備:内外装や装備や質感も十分以上⇒『嫌われないスタイル・インテリア』と『誰のどんなニーズにも寄り添ってくれそうな仕様・装備』

カローラシリーズの外観スタイル・内装デザインは、ポジティブな意味で万人向けだと感じます。尖ったところがなく、しかし時代の流行や動きはとらえており、マニアックな造形はないが、誰からも「嫌われない」感じのスタイルとインテリア。

そういった「カローラならではの基本特性:誰からも嫌われない」に加えて、シッカリ感・低重心感・走りがよさそうな感じといった「基本性能が良いクルマの雰囲気」を備えているのが、現行カローラの特徴ではないでしょうか?

1966年の誕生時 から、「+αの仕様・装備」を売り物にしていたカローラ。今のカローラも、そういった顧客ニーズを(少し)上回って設定されている仕様・装備が特徴だと思います。

今どきのクルマとして当然の仕様・装備となっている、ADAS・安全装備はもちろん、ランプ類・表示系・空調など、贅沢ではないが、「出来れば装着しておいて欲しいよね」と思わせるモノがちゃんと付いている(このレンタカーグレードでも必要充分な装備になっていた)点に、お客様のニーズをしっかり調べ上げて企画・設定されたクルマなことが表われていると思われました。
価格:どのバリエーションも競争力ある価格昔から「カローラはお買い得」なクルマという評判があったと思いますが、それは今のカローラにもあてはまると思います。
「お買い得=Value for Money」という言葉には、「価格が安い」というだけでなく、「内容・仕様装備が(価格に対して)充実している」という意味も含まれると思いますが、カローラのクルマづくりには、まさに「お買い得」が意識され具現化されていると考えられます。

カローラ(2WD)
HEV:2,380 ,000円(X)~2,570,000円(G)~2,800,000円(WxB)
GAS:1,990,000円(X)~2,220,000円(G)~2,450,000円(WxB)
カローラツーリング(2WD)
HEV:2,460,000円(X)~2,650,000円(G)~2,850,000円(WxB)
GAS:2,070,000円(X)~2,300,000円(G)~2,500000円(WxB)
カローラクロス(2WD)
HEV:2,590,000円(G)~2,750,000円(S)~2,990,000円(Z)
GAS:1,990,000円(G”X”)~2,240,000円(G)~2,400,000円(S)~2,640,000円(WxB)
※すべて税込み価格

(安全装備やADAS等でクルマ全体の価格が上昇している中で)、このカローラの価格が、ほぼ200万円台に収まっているのは、価格競争力なのではないでしょうか?
カローラクロスが発売されたときに、YouTube等で「カロ・クロ安い」と言われていましたが、確かに、そのベース価格(G“X”:1,990,000円)や最上級の(Z:2,990,000円)は、周囲の競合車価格・仕様などと比較するにつけ、とてもお買い得感・競争力ある価格になっていると感じました。
※上の写真は名古屋のミッドランドトヨタショールームで撮影

感想①:カローラの位置づけと凄さ。「非凡なる基準商品」

1966年の発売から50数年、12世代、そして累計販売5,000万台を達成しているトヨタカローラは、トヨタの幅広い商品ラインアップの中でも特に重要な位置づけのクルマなのだろうと思います。
ですが、カローラはそれにはとどまらず、世界の自動車業界を見渡しても重要な位置づけのクルマなのではないか?そんな風に感じました。
50数年間かけて・・・とはいえ、累計5,000万台販売。5,000万人のお客様がいてそれぞれに「カローラとの生活」がある(あった)。本当に凄い事だと思います。
5,000万台を可能にしたのは、商品内容以外にも、販売要素やサービス要素など色々なファクターがあったのでしょうが、やはりその中心はクルマの出来な筈で、特に現行型の出来の良さに触れるにつれ、カローラは「世界中のお客様に愛されてきた「非凡なる基準商品」」という言葉が浮かびました。

感想②:日本で扱いやすく色々な用途にあうクルマ。「ちょうど良い」

「世界で最も売れているクルマ」。それだけで各社のベンチマークになりそうな気がしますが、今のカローラは上記したように、乗り味・パッケージング・スタイル/インテリア・仕様装備・価格と、クルマの持つ重要な商品要素の殆どで、(相対的に)競合や平均レベルに対しての+αがあるため、競合各社は意識せざるを得ないのではないでしょうか?
私自身のクルマ選びは、カローラの非凡さに惹かれつつも、パッケージの独特さやプレミアム商品らしさで、LEXUS UXを選択しましたが(要は小さなプレミアムクロスオーバーが欲しかった)、今のカローラは、誰に聞かれてもお勧め出来る一台だと思います。

総合評価

・乗る前の期待値越えか?
〇+ 乗り味・燃費・装備類など期待値を上回っていた

・また乗りたいか?
〇+ ちょうどよいクルマとして(例えばレンタカーで)積極的に選択したい

※評価基準と評価マークの意味

項目/マーク

〇+

〇-

期待値を・・・

大きく上回る

上回る

まあ上回る

上回る部分もあるが・・・

下回る

また乗りたいか

とても乗りたい

乗りたい

まあ乗りたい

乗りたい面もあるが・・・

あまり乗りたくない

今回試乗したクルマはこちら!

〔試乗車〕:カローラツーリング・ハイブリッド
〔主要諸元〕:
全長x全幅x全高・WB・車重:4,495mmx1,745mmx1,460mm・2640mm・1350kg
2ZR-FXEエンジン:1.797L、98ps/5,200rpm、142Nm/3,600rpm+電気モーター
サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン、タイヤ:195/65R16
〔走行概要〕:広島駅前からTSタカタサーキット往復139km走行(走行距離約12,000kmのレンタカー)。平均燃費は24.9km/L~29.4km/L

※スペック・価格などのデータは試乗時のものです。最新情報は店頭等でご確認ください。

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